はやぶさ2は6年間にわたるリュウグウの探査によって、9つの世界初を達成している。その内容を、津田氏が自ら解説した。
1点目は、小型探査ロボットが小惑星の上で移動探査を行ったこと。2点目は、3機のロボットが同時に小惑星で活動したこと。はやぶさ2が持って行ったロボットは4機で、そのうち3機が同時に運用された。
3点目から6点目まではリュウグウへの着陸に関するもの。はやぶさ2の天体着陸精度を60センチまで上げたことが3点目で、4点目は小惑星に大きい弾丸を撃ち込んで穴を開けて、人工クレーターを作った上で観測したこと。そしてその穴の地下物質を採取したことが5点目だ。さらに同一天体の2地点に着陸したことが、6点目になる。
7点目は小惑星の周りに3つの人工衛星を飛ばしたこと。8点目は、地球以外の天体からガスを採取して持って帰ったこと。そして最後の9点目は、採取した固体物質を持ち帰ったことだ。はやぶさ2でこれだけの世界初が実現できた意義を、津田氏は次のように語った。
「月より遠くの天体に行って帰って来る技術を実現できたのは、今のところJAXAのはやぶさと、はやぶさ2だけです。世界中で日本だけが成し得たことです。僕は技術者なのでこの点は強調したいですね。今後は米国も中国も実施する予定がありますが、世界で初めて実現できたことは誇りだと思います」
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