えっと先週の続き。手ブレ→ピンボケときたら、次は明るさ。撮ってみたらなんかイメージしてたより暗く写ったとか明るく写りすぎたとか、でもまあしょうがないや、みたいな感じってけっこうあるわけで。
これをなんとかしてみよう、というわけだけど、話としては、実は先週のAFとほぼ同じ。なのでさらっと。なぜなら、iPhoneでタッチAFを使い始めると、否が応でも「タッチする場所によって明るさが変わるじゃん」ってことに気づくからだ。それがiPhoneの特徴で、撮りたいと思ったところに「ピントと明るさの両方を合わせる」のだ。最近は他社のスマホでもこの手を使うところが出てきた。
カメラがうまくとらえられる光の量は決まっていて、それをカメラ側でうまく調節して、初めて適正な明るさに写るわけで、それを「露出」という。簡単にいえば、明るすぎるときはシャッタースピードを超速くする(つまり、一瞬だけ光を当てる。それでカメラには十分な光量だから)、逆に暗いときはシャッタースピードを遅くしたり感度を上げたりして、ちょっと長い時間光を当てたり少ない光でなんとか頑張ったりする。
これはiPhoneのカメラが自分で判断してする仕事。でもカメラ側の意図と、撮る人の意図がずれることがある。これはもうしょうがない。カメラが撮る人の気持ちをくんでくれるわけじゃないし。
で、普通のデジカメは(さらにはスマホも)、両者のずれを解消するために「露出補正」って機能を持ってる。まあカメラにもっと明るく(あるいは暗く)撮ってね、と指示する機能だ。でも慣れないと「露出補正」といきなり言われても分からない。
実は、iPhoneではタッチした場所で明るさをコントロールしてるのだ。iPhone的には「この人はここをタッチしたから、ここをきれいに撮りたいのだろう。だったらそう撮れるように調整してあげよう」という感じ。
なんて書いてたら、ちょうどうちの猫が2匹並んでくつろいでいたので実例を。普通に撮るとこうなる。
でも、左側の白い猫(大五郎です)はおでこのあたりが真っ白にトんじゃってる。試しに大五郎のおでこあたりをタップしてみよう。
すると白いところが明るくなりすぎないよう自動的に調整されてこうなった。
全体に暗くなってしまいましたな。じゃあ今度は逆に右にいるキジトラの猫(かふかです)をタップしてみる。こっちは色が濃くて暗い。
すると今度はこうなった。
かふかを適正な明るさで撮ろうと、全体に明るくしたので今度は大五郎が真っ白になったわけだ。これは極端な例だけど、カメラが一度にとらえられる明暗差はあんまり広くないので、どこを重視して撮るかが重要なのだ。
簡単に言えば「特に明るいところをタップすると暗めに、暗いところをタップすると明るめに調整される」と思っていい。
もう1つ極端な例を。
かなり極端な差をつけられるのが分かるかと思う。例えば白いお皿に載ってる料理を撮るときは、全体が暗く写るときがある。そういうときは料理をタップして、そこに明るさを合わせてくれとカメラに伝えるわけだ。そうすると明るく撮れる。料理は明るく撮れた方がいいのでよく使う手だ。
逆に暗めに抑えたいときもある。例えば夕空。ちょっと暗めに撮った方が雰囲気が出る。夕空を撮るときは、この手をよく使う。雲の向こうに隠れた太陽から光がさーっと出ている姿がきれいだったので撮ってみた。
そこで空の一番明るいところをタップして撮ってみた。
次もそう。昔からある、とある漁港というか海沿いの街。夕日を背に逆光になってるとこがきれいだったのだが、そのまま撮ると全体に明るく撮れすぎちゃう。そこで右上の隅の空の一番明るいあたりをタップして、そこに合わせてシルエットな感じに撮ってみた。
というわけで、タップした場所でピントと明るさが決まるので、これを応用すれば指1本でコントロールできるのだ。
どうしてもピントや明るさを合わせるのによいモノが画面上にないことがある。そんなときはどうするか。
ちょいと周りを見てみる。ちょうど右側にグラスの影があった。これで合わせてみよう。グラスの影の上で長押しする。数秒間タッチし続けると画面室内「AE/AFロック」と表示される。AFはピント。AEは自動露出の略で、まあ「明るさ」と思っていい。これでピントと明るさがロックされたのだ。
あとはカメラの向きを変えて、本当に撮りたいものを撮ればいい。
AF/AEロックを覚えるとけっこう便利。画面をタップしない限りロックは維持されるので、明るさとピントを固定して撮りたいときは幅広く使える。覚えておくと役立つかもしれない。
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