iPhone OS 3.0は、すでに開発者向けのプレビューイベントで発表があったとおり、カット、コピー&ペーストを含む100以上の新機能を盛り込んだ、大きなアップデートとなる。アンドゥのサポートや、メールやメモ、SMSでのランドスケープモード(横画面)サポートなど、これまでユーザーが不便に感じていたポイントを多数改善している。
端末内の検索機能が提供されるのもポイントで、メール(サーバ上を含む)、カレンダー、メディア、メモなどを横断して検索できるようになる。検索画面の「Spotlight」はホーム画面のすぐ隣に用意し、容易にアクセスできるようにした。
また、iPhone上のiTunes Storeも改良され、米国では映画がiPhoneから直接購入・レンタルできるようになる(10Mバイト以上のデータは無線LAN経由でのみダウンロード可能な点はアプリや音楽と同様)。映画のほか、テレビ番組やオーディオブックなども直接ダウンロードに対応した。米国内の著名大学から提供される教育課程の講義、語学の授業、研究デモなどが無料で視聴できる「iTunes U」も利用できるほか、新たにペアレンタルコントロールを用意し、未成年者が特定のコンテンツにアクセスできなくする機能も提供する。
これまで、音楽はDockコネクターにBluetoothアダプタを接続しないとワイヤレスで視聴できなかったが、OS 3.0ではBluetoothのA2DPをサポートし、ワイヤレスヘッドフォンなどがアダプタなしで利用可能になる。音楽再生中にiPhoneやiPod touchを振ると曲をシャッフル再生する「Shake to Shuffle」機能も備えた。
USBやBluetoothで接続し、iPhone経由でPCやMacをインターネットに接続できるtethering(テザリング)機能もOS 3.0の新機能。世界の22のキャリアがサポートを表明したが、残念ながらソフトバンクモバイルは非対応となっている。OS 3.0で提供されるMMSは、ソフトバンクモバイルを含む29のキャリアがサポートを表明。SMSと同じような画面でメールのやり取りが可能になる。
Mobile SafariもOSのバージョンアップに合わせて機能が大きく向上、HTML5をサポートした。iPhone OS 3.0のSafariは、JavaScriptの実行が従来比で3倍も速くなっているという。HTTPストリーミングオーディオ/ビデオに対応し、接続に応じて画質を選択する機能も装備。ユーザー名やパスワードはオートフィルが利用できるので、毎回IDやパスワードを入力する手間が省けるようになる。ボイスメモアプリも新たに搭載した。
このほか、新しい機能として「Find My iPhone」というサービスを始める。これはMobileMeユーザー限定の無料サービスで、Google Maps上で自分のiPhoneがある場所を確認できるというもの。iPhoneを紛失した場合などに、簡単に見付けられるという。
このFind My iPhone機能を利用すると、iPhoneにメッセージを送り、アラート音を鳴らすことも可能。音はマナーモードにしていても鳴る。さらに、端末がどうしても見つからない、あるいは盗まれた場合などには、遠隔消去コマンドを送ってメールやアドレス帳の情報が消去できる。
開発者向けには、アプリ内課金や月額課金など、新たな課金方法が用意されたことや、Dockコネクター経由で周辺機器と通信するアプリが開発可能になったことなどがOS 3.0の大きなトピックとしてプレビューイベントでも紹介されていたが、今回の講演では改めてこうしたメリットを開発者向けに訴求。実際にアプリを開発しているデベロッパーが登壇してそのメリットや開発中のアプリを披露した。Appleは、アプリ開発や周辺機器開発により大きな自由がもたらされることで、さらに高度なアプリや周辺機器が生まれてくる可能性を示唆した。
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