米国連邦通信委員会(FCC)の戦略計画局、ケネス・R・カーター氏は6月に来日した際、私見と断った上で「アンライセンスモデル」のほうが自由な運営が可能だとの見方を示した(6月6日の記事参照)。ただ、国内の事業者からは異なる意見も出ている。
諸橋氏は、やはり個人的な感想と断った上で、QoS(通信の品質保証)を考えればやはりライセンスモデルにするしかないと話す。平成電電の佐藤賢治社長も、ライセンスモデルが適当との考えだ。
「Wi-Fiは、通信のコネクションが切れたりつながったりと細かく変動する。しかしWiMAXは、つながったらその帯域を占有する技術方式。だからこそ、携帯の通話サービスもできる。仮に占有しないならアンライセンスでもいいが、占有する以上はライセンスモデルしかないだろう」
今後、総務省で議論がどのように進むか不明だが、現場レベルでは相当数の事業者が「免許割り当てが行われる」とにらんでいる。
そもそも、移動体事業者にとって与えられる無線帯域は多ければ多いほどいい。ソフトバンクの宮川潤一常務取締役は、「ワイヤレスジャパン2005」の講演で「周波数さえもらえればさまざまなサービスが提供可能」という趣旨の発言をしている。
「100Mbpsの無線サービスだって、周波数さえもらえれば簡単だ。(特定の無線技術で用意された回線を)何本か束ねるだけでいい。ただ、ないものねだりはできない」
3Gの新規参入が総務省で認められる方針とはいえ(6月3日の記事参照)、そこで新規事業者に与えられる帯域幅は5MHzにすぎない。各事業者がWiMAXに期待するのは、技術として3Gを補完してくれることもあるが、「追加で帯域がもらえる技術」だからという側面もある。
それだけに、将来の免許取得合戦には、各事業者とも今から神経をとがらせる。宮川氏は、ソフトバンクとしてもWiMAXおよび韓国版WiMAXの「WiBro」に興味を持っているとコメント。「周波数割当はこれから、大変な時代に入っていく。みなさん(WiMAXを)やりたいやりたいと言っているが、我々もチャレンジしていきたい」と話していた。
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