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» 2007年12月26日 16時56分 公開

“端末選びの楽しさ”が味わえた1年ITmediaスタッフが選ぶ、2007年の“注目ケータイ”(ライター石野編)

 2007年のケータイは、全体を通して個性的な機種が多かったように感じている。家電やファッション、アニメなどとのコラボレーションが増え“端末選びの楽しさ”は例年以上だった。それらの傾向を踏まえ、気に入った端末を5台チョイスした。

[石野純也(EYE's factory),ITmedia]

 2007年のケータイは、全体を通して個性的な機種が多かったように感じている。機能面での進化が以前よりも緩やかになった反面、家電やファッション、アニメなどとのコラボレーションが増え“端末選びの楽しさ”は例年以上だった。

 もちろん、機能的な進化が完全に止まったわけではない。「HSDPA」のような高速通信規格やワンセグが一般層にまで広がったのも、2007年の特徴だと感じている。

 それらの傾向を踏まえ、個人的に気に入った端末を5台チョイスした。1つ1つの印象を以下に述べていきたい。

ファッションブランドとケータイのコラボレーション――「M702iS DOLCE&GABBANA」

「M702iS DOLCE&GABBANA」

 2006年に発売された「M702iS」のDOLCE&GABBANAバージョン。海外では既に実現していたコラボレーションだが、M702iSがドコモから発売されたため、正直、発売は困難だと思っていた。

 個人的にはDOLCE&GABBANAの服は、少々奇抜なものが多すぎるため着るのに抵抗がある。同じハイファッションであれば、DiorやJIL SANDERのようなシンプルなものが好みだ。ゴールドというカラーはいかにも同ブランドらしいともいえるが、このような派手さが苦手なのだ。

 にも関わらず、ついつい発売日に端末を購入してしまった。“ファッションブランドとケータイがどのようにコラボレーションしているのか?”という点に興味があったからだ。機能や使い勝手などは、M702iSがベースのため不満な部分も多い。だが、もしこの端末がヒットすれば、日本でもLG電子製のPRADAケータイ(“The PRADA Phone by LG”「KE850」)が発売されるかもしれない。そういった意味では、非常に印象深い1台だった。

HSDPAによるiモードの高速化はインパクトが大きい――「N904i」

「N904i」

 HSDPAを一般層にまで押し広げたという点でN904iの功績は非常に大きい。ハイスペック端末に見えない外観に仕上げ、ハイスピードに関心のないユーザーにまでHSDPAの速度を体験させることに成功しているからだ。事実、同端末のPink Sodaを持っている友人の多くはこの機種を“色”で選んでいた。

 筆者はiモードの高速化が重要なポイントだと感じている。高速通信というと、どうしてもフルブラウザがフィーチャーされがちだが、日常的に接しているiモードが高速になることの方がユーザーにとってのインパクトは大きい。

 第3世代ケータイが普及することによってケータイで使われるコンテンツは、次第にその形を変えていった。N904iのような端末が一般化すれば、コンテンツも次のステップへ移れるだろう。

905iシリーズでの薄型化は高く評価――「N905iμ」

「N905iμ」

 2007年のベスト1を選ぶならこの機種で決まりだ。理由は先に挙げたN904iとかぶる部分もあるが、N905iμの完成度はさらに高い。機能とデザインのバランスがとてもよく、iモードのタブ表示やワンタッチマルチウィンドウ、クイック検索などで、ケータイインターネットの新たな形を提案している点に感心した。

 先端の機能を載せると、どうしても端末の厚みは増していく。だが、「ワンセグはいらないけどHSDPAやVGA液晶は必要」というユーザーは必ずいる。筆者もその1人だ。このようなユーザーのニーズを的確にくみ取り、あえて905iシリーズでiμ端末をリリースしたドコモとNECを、高く評価したい。

手にしっくりと馴染む触感は心地よい――「INFOBAR 2」

「INFOBAR 2」

 2006年は破竹の勢いを誇ったauだが、2007年は少々トーンダウンしてしまった感がある。au design projectは相変わらず個性的だが、そのほかの機種がやや画一的に見えてしまう。その中にあっても、深沢直人氏のデザインした「INFOBAR 2」は異彩を放っている。

 au design projectと同じく深沢直人氏が手がけた「±0」の家電が好きなため主観が強く入ってしまうが、深澤テイストが満載なINFOBAR 2の登場は素直に嬉しかった。手にしっくりと馴染む触感は、ほかのケータイにはない特徴で心地よい。さらにこの機種は、auの冬モデル(年末商戦に発売が間に合ったもの)でトップクラスのハイスペックモデルだ。有機ELディスプレイやワンセグ、おサイフケータイなど、必要十分なデバイスや機能をしっかり搭載している。ボタンも大きく使いやすい。

 同じテイストを引きついだ「第2弾」が出たことも珍しい。佐藤可士和氏がデザインしたN703iDもその1つだが、ケータイの世界にも、ファッションや車のような「定番モデル」が根付くか注目したい。

“ジーク、ソフトバンク!”と叫びたい――「913SH G TYPE-CAHR」

「913SH G TYPE-CAHR」(C)創通・サンライズ

 「913SH G TYPE-CAHR」は、印象に残るという意味ではもはや説明の必要はないだろう。ネット媒体や雑誌を見渡してもこの端末を好意的に扱っている記事が非常に多い。普段は真面目な記事が多い媒体でも、この機種に関してはおふざけが許される節がある。ITmediaでジャーナリストの神尾氏と趣味全開のトークを炸裂させてしまったのも、この端末が魅力的だったからこそだ。

 ソフトバンクの「キャラケー」を印象付ける上でも、シャア専用ケータイをリリースしたのは正解だ。815Tのコラボレーションもいい意味での“やりすぎ感”はあるが、既存端末の着せ替えではやはりインパクトが足りない。金型から作り直す“本気度”や通常の発想ではあり得ないザクヘッドなどがシャアへの意気込みを感じさせる。キャラケーのラインアップを印象付ける上では、この端末が絶対に必要だったのだ。

 実は筆者は編集者時代にこっそりガンダム本を作ったことがある。楽しそうな仕事に見えても、裏方の努力が並大抵ではないことは重々承知しているつもりだ。この企画を実現したソフトバンク社員はもちろん、ゴーサインを出した孫正義氏の懐の深さにも敬意を表して、「ジーク、ソフトバンク!」と叫びたい。

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