“カラーバリエーション”でブランド価値を上げたソフトバンクモバイルMobile Weekly Top10

» 2008年04月30日 16時51分 公開
[後藤祥子,ITmedia]

 今回のアクセスランキングでトップを飾ったのは、ドコモの新たなブランド戦略「新ドコモ宣言」のトピックだった。携帯業界のビジネスモデルが変革期を迎える中、ドコモは“新規契約獲得重視”という従来型のビジネスモデルから、顧客本位の戦略に舵を切る。

 この宣言は(1)ブランドを磨き直し、顧客との絆を深める(2)顧客の声をしっかり受け止め、その期待を上回る会社に変わる(3)イノベーションを起こし続け、世界から高い評価を得られる企業を目指す(4)活き活きとした人材であふれ、同じ夢に向かってチャレンジし続ける会社になる――という4点を柱に、顧客満足度を高めるための取り組みを行うもので、その具体的な施策の中には顧客窓口の対応強化も含まれる。高度で複雑な問い合わせに円滑に対応できるよう、フロントに対するサポートを強化するとしており、一ユーザーとしては、この施策で問い合わせの待ち時間が短くなることを期待したいところだ。

 ブランド力の向上で思い浮かぶのが、ソフトバンクモバイルの端末戦略。“予想外”の20色展開で世間を驚かせた「PANTONEケータイ 812SH」を皮切りに、多彩なカラーバリエーションの端末を次々と市場に送り出して大きな注目を集めた。

Photo 左から「PANTONEケータイ 812SH」「THE PREMIUM 820SH/821SH」「THE PREMIUM TEXTURE 823SH」。多彩なカラーバリエーションと質感へのこだわりをアピールする

 それまでのソフトバンクモバイルは、端末ラインアップもカラーバリエーションも他キャリアに比べて貧弱な感は否めず、ソフトバンクモバイルの孫正義社長は2006年5月に発表した“4つのコミットメント”の1つに「3G端末のラインアップの充実」を挙げていた。

 同社の端末イメージは20色から選べる812SHの投入を境に向上し始め、それがブランド力の向上にもつながるという結果をもたらした。同社でマーケティング・コミュニケーション統括部長を務める栗坂達郎氏も、Design for Asia Award 2007の受賞インタビューで「812SHを投入して大きく変わったのは、お客さんのソフトバンクモバイルに対する反応です」と話している。

 このソフトバンクモバイルの躍進を陰で支えたのが、KDDI時代にau design projectを率いていた小牟田啓博氏だ。2006年4月末にKDDIを退職した小牟田氏は、デザインとブランドコンサルティングを手がけるKom&Co.を設立し、812SHからソフトバンクモバイル端末のコンサルティングを開始。「ビジュアル=ブランド」という切り口で、ソフトバンクモバイル端末のデザインをサポートしている。

 812SHの投入時には、売れる色や売れない色が出てくるといった問題や在庫の問題が懸念されたが「こうした取り組みそのものがブランドのPRになる」と考えたと小牟田氏。この成功が、「THE PREMIUM 820SH821SH」や「FULLFACE 913SH」「THE PREMIUM TEXTURE 823SH」といった端末の投入につながったと振り返る。

 以前、小牟田氏にインタビューした際に「デザイン戦略は、auにはauに、他キャリアには他キャリアに最適化したやり方がある」という話を聞いたことがある。ソフトバンクモバイルではカラーバリエーションを軸とする戦略で、ブランディングを成功させたといえそうだ。

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