では期待される通信速度はどうだろうか。速度計測サイトでの計測では受信が1Mbpsを切ることはまれで、通信速度も安定していた。送信も300Kbpsを切ることはほとんどなく、ドコモの「定額制データ通信」に準じた通信速度と思っていいだろう。タブブラウザで10サイト程度をまとめて表示させても、ストレスを感じない速さで表示した。また、同じネットワークを利用するドコモの「定額データプラン」では利用制限されているインスタントメッセンジャー(IM)なども問題なく利用できた。


音声トラフィックが増えそうな平日(月曜日)の夕方。都内JR駅に程近い場所での通信速度。少々バラつきが多くなったが、受信で最高2.84Mbpsを記録。どの計測場所、時間でも送信速度が理論限界値の384Kbpsに近い点も注目してほしいしかし、一定の利用制限はあるようだ。例えばYouTubeやニコニコ動画などの動画再生は可能だが、受信速度が低下し、不自然な遅さで通信速度が一定になる。動画のビットレートにもよるが、受信が間に合わず不定期に再生が停止することが多かった。ただし、再生を一時停止してバッファリングの終了を待てば、スムーズに再生できた。GyaoやYahoo!動画といったWindows Media Videoを採用する動画配信サイトは、接続こそ遮断されないが、ほとんどパケットが流れない状態になる。FTPも、300〜400Kbps程度と明らかに制限された通信速度になった。
ネットワークストレージへの送信/受信では、帯域制限を感じない通信速度が出た。動画サイトは長時間帯域を占有する可能性が高く、そうしたサイトでの動画再生に関しては一定の制限をかけているようだ。周波数帯域が限られていることを考慮すれば致し方ないことと言えるが、不満を感じる人も多いだろう。ほかのサービスとの違いを理解しておいた方がいい。

左がタブブウラザで5つのサイトと同時に開いた場合、右がcocoaギガストレージからファイルをダウンロードした場合の通信速度の変化。スケールの違いにも注意してほしいが、特に速度がコントロールさせれている様子はない。1〜2Mbpsの通信速度は出ている。

左がYouTube、中央がニコニコ動画で動画再生を行ってみたところ。通信速度が明らかにコントロールされている。通信速度は決め打ち召されているわけではなく、200Kbps程度、400Kbps程度で頭打ちになることが多かった、右は同じ場所、同じ時間にイー・モバイルでニコニコ動画を再生した場合で、特に通信速度の制限はされていないようだ。繰り返し触れているように、b-mobile3G hours150はヘビーなモバイルユーザーに向けたサービスではない。また時間課金であることから、モバイルで動画などのリッチコンテンツは見ないが、IMなどを常に起動しておきたいといった使い方にも向かない。さらに、同じプリペイド方式の3Gデータ通信サービスでも、出張などで日単位、週単位といった形での長時間利用になるのであれば、イー・モバイルのEMチャージの方がお得だ。
しかしFOMAネットワークを利用する広い利用エリア、そして1分単位という料金体系は、使い方次第では非常に役立つサービスだ。ユーザーが少ない現状でテストしたため、今回計測した通信速度は目安程度に思ったほうが良いだろうが、良い意味でトラフィックコントロールが行われており、基幹ネットワークがFOMAなので“つながりにくい”ということも少ないだろう。
定額制以外の高速で合理的なモバイルインターネット接続手段を欲しているユーザーにとって、b-mobile3G hours150は魅力的なサービスとなるはずだ。
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