2009年は“端末市場の縮小”が構造変化を促す──NTTドコモ 辻村清行副社長神尾寿のMobile+Views(2/2 ページ)

» 2009年01月05日 11時00分 公開
[神尾寿,ITmedia]
前のページへ 1|2       

── と、言いますと?

辻村氏 いろいろな構造変化のシナリオがあると思います。

 1つにはメーカー同士で、プラットフォームを共有する。その提携にはいろいろな形があると思いますが、メーカー同士の連携は今後さらに重要になるでしょう。

 また、もう1つ(日本)メーカーが重視しなければならないのが、「海外市場」です。世界には10億台の市場があるわけですから、メーカーはもっと海外進出を考えなければなりません。

── しかし、日本メーカーは海外進出に慎重です。

辻村氏 国内市場が縮小していますから、(日本メーカーは)「国内でも苦しいのに、海外市場に打って出る余力はない」とおっしゃるわけですけれども、それでも海外の10億のマーケットに出て行くことは重要です。ドコモとしては、現行の3Gや今後のスーパー3G(LTE)で海外市場との連動性を高めていきますので、それをメーカーはビジネスチャンスにしてほしい。

Photo 「販売チャネルにも大きな変化が訪れます」(辻村氏)

── 販売数の激減は、日本メーカーだけでなく、販売チャネルの経営環境にも大きな影響を与えています。2008年は携帯電話販売会社大手のテレパークとMSコミュニケーションズが合併してティーガイアが誕生するなど、販売チャネルにも業界再編の動きが出てきました。2009年以降、販売チャネルを取りまく環境はどのように変化していくのでしょうか。

辻村氏 これから販売チャネルも大きく変化していくと思いますよ。全体の販売市場が縮小することで、販売台数に応じた代理店手数料制度だけでは(ビジネスが)成立しなくなってきます。各販売会社が、新サービスの販売やアフターケアの部分で優位性を出していく必要があります。

 また、もう1つ重要なのが「スマートフォン」です。スマートフォンはPCに近い商品ですので、これまでの携帯電話と同じようには売れません。販売からアフターケアまで、スマートフォンに適したお客様サポート体制が必要になります。

── 現行の(キャリアが実施している)販売スキル認定制度では、スマートフォンはサポートし切れていませんね。

辻村氏 そのとおりです。今の販売員スキル認定制度では、スマートフォン(で必要になるサポート能力)に追いつきません。しかし、逆にここは販売会社にとってビジネスチャンスでもあります。

 今後、スマートフォンの普及を図っていった時に、お客様に対する手厚いサポートは必要になるわけです。当然ながら、スマートフォンユーザーの裾野が広がれば、ドコモショップなど販売店にお客様が(スマートフォンの)サポートを求めて来ます。今後は、販売会社ごとのサポート能力やコンサルティング能力が求められるようになってくるでしょう。

── しかし、規模の小さい販売会社では、スタッフのスキル向上に投資できるかが、経営上の課題になりそうです。

辻村氏 新しいビジネスモデルを構築する中で、(販売会社が)資本力を高める必要性は当然出てきます。そこでは合従連衡も含めた構造変化がでてくると思います。

── 国内の端末メーカーと同様に、販売会社も変化していかなければならない、と。

辻村氏 変化していかなければならないでしょうね。ビジネスモデルを一段高いレベルに上げなければなりません。我々ドコモとしても、販売店評価制度を大きく見直していきます。

 今後はBlackBerry Boldをはじめスマートフォンのラインアップが増えますし、ドコモとしても将来的なマス市場への展開に取り組んでいきます。そこでスマートフォンがきちんと取り扱える販売会社と、そうでない販売会社は差が出てくるでしょう。しかし、これは販売会社にとってビジネスチャンスになりえると思いますよ。

(続く)

携帯業界のトレンドを知りたいと思ったら→+D Mobile「業界動向」へ
  • 各キャリアの発表会リポート
  • 国内外の携帯市場動向
  • 通信業界のキーパーソンインタビュー
  • 携帯事業者別シェア/携帯出荷台数
  • 携帯関連の調査リポート記事

携帯業界のトレンドや今後を把握するのに必要な記事だけを集めたのが“+D Mobile 業界動向”。記事はトピックや連載ごとにアーカイブされ、必要なときにまとめてチェックできます。
今すぐアクセス!


前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年06月27日 更新
  1. 「海外からの迷惑電話が解消した」との声も NTTタウンページの「詐欺対策」アプリ、累計100万ダウンロード突破 (2026年06月25日)
  2. 年会費9万9000円の価値はある? 最上位クレカ「Olive Infinite」と「Visa Infinite」の違いと持つべき人 (2026年06月25日)
  3. ソフトバンクが「今回もやる」とGalaxy S26を月額1円で販売――販売方法を早急に見直さないと撤退を迫られるメーカーも (2026年03月08日)
  4. スマホの短期解約、最長1年の「継続利用」容認で抑制へ 「お試し割」は統合 総務省が取りまとめ (2026年06月25日)
  5. 「iPhone 17e」と「iPhone 17」どちらが買いか? 2機種を使い込んで分かった“スペック表にない違い” (2026年04月29日)
  6. iPhoneそっくりなだけじゃない、コラボモデルもある「HONOR 600 Pro」 (2026年06月26日)
  7. 「実質24円」は今後も続く? スマホ残価設定は「現状維持」、残価率の一律化は「適当ではない」と総務省が評価 (2026年06月25日)
  8. 「日本は6G周波数の議論すら始まっていない」 クアルコムが抱く危機感と、AI時代の次世代通信 (2026年06月26日)
  9. 「モラルが欠如している」──LINE安否確認で“悪ふざけ”、SNSで批判の的に (2026年06月26日)
  10. ソニー「aibo」の国内販売終了 なぜ、人に愛される存在になったのか (2026年06月25日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー