家電ネットワークと「フェムトセル」を連携させるパナソニック モバイルの新提案:Mobile World Congress 2009

» 2009年02月24日 23時35分 公開
[平賀洋一,ITmedia]

 一般的な携帯電話の基地局と言えば半径数キロ圏をカバーする大規模なものだが、地下や大規模な建物の奥まった場所、ビルの谷間にある住居などでは電波が入りづらく圏外になってしまう場所もある。こうした場所をカバーする存在として期待されているのが、半径数十メートル程度を対象エリアとした「フェムトセル」と呼ばれる小型基地局だ。

photophoto パナソニック モバイルコミュニケーションズがMobile World Congress 2009で展示したフェムトセルのコンセプトモデル(写真=左)。本来フェムトセルとしての機能にSIMカードは不要だが、認証用に必要となるケースを想定して、SIMカードスロットを用意(写真=右)

photo HDDレコーダーなどのデジタル家電と並べておかしく無いよう、リビングに置いても違和感がないデザインと大きさを採用した

 Mobile World Congress 2009のパナソニック モバイルコミュニケーションズブースでは、家庭内ネットワークと連携するフェムトセルのコンセプトモデルを展示。パナソニックグループが得意とするデジタル家電と連携させることで、フェムトセルの新たな魅力を引き出そうというデモを行なった。

 このフェムトセルは3G(HSDPA)通信に対応したものだが、より高速な通信が行えるLTEの利用も考慮されている。端末とフェムトセル間はHSDPAで通信するが、フェムトセルと通信事業者のコアネットワークとはブロードバンド網を介して結ばれる。当然、事業者が提供する通話や公式サイトへのアクセスといったサービスは暗号化やトンネリングを使ったセキュアな接続となるが、今回展示されたコンセプトモデルではケータイから一般サイト(勝手サイト)にアクセスする際には通信事業者のコアネットワークに接続せず、フェムトセルから直接オープンなインターネットに接続できる。こうすることで、動画ストリーミングなどのリッチコンテンツをケータイで見ても、(事業者の)コアネットワークへのトラフィックを抑えられ、回線全体への影響を下げられるという。

photophoto コンセプトモデルの2大特徴。フェムトセルから一般サイトに直接アクセスすることで、通信事業者へのトラフィックを抑えられる機能と(写真=左)、宅内の家電との連携機能(写真=右)

 もう1つの特徴が、ネットワークカメラやAV家電などの家庭内機器にアクセスする機能だ。フェムトセルをハブとして無線LANやDNLAなどの家庭内ネットワークを結び、ケータイから自宅のセキュリティカメラの画像を見たり、サーバ内のビデオコンテンツを見ることができる。会場ではフェムトセル内の管理用Webサーバに各デバイスへのリンクを用意し、コンテンツを端末に表示するデモが行なわれた。

photophotophoto 端末からフェムトセル内のWebサーバにアクセスしたところ、セキュリティカメラやデジタルレコーダーへのリンクが用意されている。試作段階ということで、デザインは仮のもの

photophotophoto ケータイからフェムトセルを経由してカメラ画像や宅内サーバの動画コンテンツにアクセスしたところ(写真=左、中央)。フルブラウザのようにオープンインターネットに接続する場合は、フェムトセルから直接外部サーバにアクセスする(写真=右)

photophoto ノキアシーメンスネットワークと共同開発していドコモ向けのLTE基地局
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 パナソニック モバイルの担当者によると「単に“小さな基地局”としてでなく、デジタル家電をつなぐハブとしてフェムトセルに新たな価値を持たせたいと思った」というのが、開発したきっかけだという。ただしこのフェムトセルはあくまでコンセプトモデルであり、商用化は未定。仮にある通信事業者が採用を決めても、その事業者がこれまで販してきたすべての端末と問題なく接続できるか試験を行なう必要があるなど、発売に向けて超えなくてはならないハードルは数多くあるという。

 中でも、フェムトセルの利用が端末とフェムトセル間の通信は無料になるのか有料になるのか、どのような認証方法にするのかは通信事業者のポリシーに左右される。さらに、フェムトセルを使った場合とほかの基地局を使った場合でサービス内容や利用できる機能を分かるのであれば、フェムトセル接続に対応した端末の新規開発も必要になるという。

 また認証に関しては、端末の回線とひも付けるためにフェムトセル専用のSIMカードを発行するケースも考えられ、このフェムトセルにはSIMカード用のスロットが備えられていた。また、ファームウェアの更新で機能を追加できるよう、サービス用のUSB端子も用意していた。

 そのほかパナソニック モバイルブースでは、日本で発売されたNTTドコモ向けハイスペック端末の「P-01A」や厚さ9.8ミリと極薄の「P-04A」「P-05A」、ソフトバンクモバイル向けの「930P」、au向けの「P001」といった新端末を展示。また、パナソニック製デジタル家電を結ぶホームネットワークや、ノキアシーメンスネットワークと共同開発しているドコモ向けLTE基地局(2008年12月の記事参照)、パナソニック モバイルが参画するLiMo FoundationによるLiMo準拠端末、LiMoアプリケーションなどが展示された。

photophotophoto 日本のキャリア向け新端末も多数展示

photophoto パナソニックが開発したデジタル家電用の総合プラットフォーム「UniPhier」(ユニフィエ)

photophotophoto 次世代のデジタル家電ネットワーク構想。Wオープンスタイルのコンセプトモデルも展示された

photophotophoto 他メーカーのものを含め、LiMoを採用した端末も多数展示されていた。LG Electronicsの新スマートフォン「ATOS-L」

photophotophoto Kvalebergのタッチ端末「Madrid」はiPhoneライクなUIが特徴(写真=左)。非Windows MobileのOMINIA(SGH-i900)もLiMO搭載(写真=中央)。BlackberryスタイルのMirage(SGH-i780)(写真=右)

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