「携帯と親和性高い」――“通販”に注力するドコモ:オークローン買収

» 2009年04月06日 21時49分 公開
[山田祐介,ITmedia]

 NTTドコモは4月6日、テレビ通信販売番組「ショップジャパン」などの運営で知られるオークローンマーケティングの株式51%相当分を取得し、同社を買収することを発表した。「新ドコモ宣言」から約1年を迎え、動画コンテンツやエージェント機能など将来の携帯サービスを見据えた事業を積極的に展開しているNTTドコモだが、こうした取り組みと「親和性が高い」という通信販売サービスに乗り出すことで、新たな市場の開拓を狙う。

photo NTTドコモの取締役常務執行役員・坪内和人氏(左)とオークローンマーケティングの代表取締役社長・ハリー・A・ヒル氏(右)

通販事業、「“新たなメディア”との取り組みも考えていく必要がある」

photo 現在、オークローンマーケティングが展開する3つのブランド

 生活用品や寝具などを扱う「ショップジャパン」、女性をターゲットにダイエット用品や化粧品を紹介する「ヒルズコレクション」、「ビリーズブートキャンプ」などのエクササイズコンテンツを展開する「エクサボディ」――オークローンマーケティングでは3つのブランドを柱に、米国や欧州から調達した商材を、日本市場向けに制作した独自の番組/コンテンツで紹介してきた。こうしたノウハウやマーケティング力に加え、民放各局の放送枠をはじめとする“豊富なユーザーとの接点”をNTTドコモは高く評価し、今回の買収に踏み切った。「両社のノウハウを相互に生かし、今後大きな成長が見込まれるモバイルeコマース市場、テレビ通販などのダイレクトマーケティング市場の活性化を図る」(NTTドコモ取締役常務執行役員の坪内和人氏)


photo ドコモとオークローンマーケティングは、“ユーザー支援”という共通のビジョンを持っているとヒル氏は話す。同氏は買収後も代表取締役社長として手腕を振るう

 オークローンマーケティングの代表取締役社長、ハリー・A・ヒル氏は会見で、ビリーズブートキャンプのヒットにより大きな成長を遂げた2007年を振り返りつつ、「次の発展を遂げるために、有力なパートナーと組むべきと考えていた」と明かした。またヒル氏は、これまで同社の成長を支えてきたテレビなどの“既存メディア”に加え、「今後は“新たなメディア”との取り組みも考えていく必要がある」と語り、モバイル市場でのシェア拡大に意欲を見せた。


通販と携帯電話事業とに期待する「高いシナジー」

photo NTTドコモ グループ事業推進部長の守屋学氏。買収後はオークローンマーケティングの代表取締役副社長に就任する予定

 NTTドコモが通信販売市場を新規事業のターゲットに据えた背景には、同社が展開するモバイルサービスとの親和性の高さがある。動画機能によるコンテンツの配信はもちろん、「iコンシェル」のエージェント機能による“ユーザーそれぞれが関心を持つ商品の情報提供”や、ドコモの決済システムを利用した“簡単な支払い手段”などにより、NTTドコモとオークローンマーケティングとの間で「高いシナジーが期待できる」(NTTドコモ グループ事業推進部長の守屋学氏)と考えている。


photo 通信販売事業とドコモのモバイルビジネスとの“親和性の高さ”を図に示したもの

 また小売市場が伸び悩む中で、通信販売市場が順調に成長していることも理由の1つだ。「通販市場の中でも一番伸びていると言われるテレビ通販市場は、8年間(2000〜2007年)で2倍以上に成長している。その中でもオークローンマーケティングは業界3位と高い競争力を持っている」(守屋氏)

photo テレビ通販市場の推移と、2007年度売り上げのランキング。3位にオークローンマーケティングの名が挙がっている。ただし、同社の販売額は実店舗などの売り上げも含めた全社的なもの
photo 今後の事業展開構想

 こうした判断のもとに両社は中長期的な事業成長を目指すが、具体的なサービス内容はこれから練り込む。短期に実現可能な取り組みとしては、動画機能やiコンシェルを活用した新コンテンツを例に挙げた。また中長期の展開に関して守屋氏は「モバイルに適した商品、売り方があるはず」と語り、携帯動画用にアレンジされた番組や、携帯ユーザーのライフスタイルに合わせた商品の紹介などを想定していると話した。

 将来の携帯サービスのあり方として“ユーザーの行動を支援する”ことが重要と考えるNTTドコモだが、「ショッピングは、まさに(支援すべき)行動の最たるもの」と守屋氏は意気込む。「モバイルは、ショッピングをより楽しくお得に提供するツールになり得ると考えている。今回の資本提携をきっかけに、モバイルeコマース市場全体を活性化し、どんどん通販ショッピングでモバイルを使ってもらえるようにしていきたい」(守屋氏)


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