タッチパネルケータイのUIに思うことふぉーんなハナシ

» 2009年05月28日 23時55分 公開
[園部修,ITmedia]

 2007年に「iPhone」が登場し、好意的に受け入れられて以来、これまでダイヤルキーが圧倒的多数だった携帯電話に、タッチパネルと直感的な操作が可能なユーザーインタフェース(UI)を採用するメーカーが増えた。

 タッチパネルと優れたUIを組み合わせることで、「画面上にあるものに直接触れて操作できる」という分かりやすさを実現する方向性は、ユーザーのすそ野が拡大した携帯電話の進化にとって、非常に大切なことであるし、とてもいいことだと思う。しかし、国内のタッチパネル搭載携帯電話には、いまひとつ直感的でないUIを採用したものがまだ多いように思う。

 特定の機種に限った話ではないし、機能やアプリによって違うケースもあるが、既存の十字キーやソフトキーでの操作を前提としたUIに、無理やりタッチパネルを組み合わせているケースがよく見られる。画面に表示されているものに直接触れて選んだり、直接動かすことができないものが多いのだ。

 例えばメインメニューを表示すると、第1階層はアイコンに直接触れて操作できるのだが、2階層目や3階層目の操作はテキスト表示で、項目に直接触れて操作できず、タッチパネルが“十字キー”になってしまうものが多い。画面にソフトキーボードを表示し、十字キー相当の操作をさせるのであれば、まだ分かりやすくていいのだが、何のガイドもなく操作が十字キー相当になっているものはとまどいを感じる。中には画面上に表示されたアイコンにタッチしても何も起こらず、指を上下左右に動かしてカーソルを移動し、決定キーの代わりに画面上の「決定」と書かれた部分を押さないと選択できない機種もある。

 こうしたUIは、直感的ではなくかえって分かりにくいし、タッチパネルがあることで逆にストレスを感じることもある。タッチパネルが、“十字キーのスペースを省略するため”だけに搭載されており、とてももったいない。

 既存の十字キー向けのUIにタッチパネルを組み合わせると、画面表示で破たんを来すこともままある。それがよく分かるのが、ブラウザの操作だ。タッチパネルが十字キー操作になった状態でブラウザのスクロールをしようとすると、指を上から下に動かす(十字キーの下を押したのと同じ)操作に対し、画面が下から上に動く(スクロールする)ようになる。指の動きと画面の動きが逆になるので、はっきり言って気持ちが悪い。ここはやはり、指の動きと画面の動きは一致させてほしいところだ。

 メーカー各社には、中途半端にデバイスだけタッチパネルを採用するのではなく、ぜひともしっかりUIまで作り込んだタッチパネルケータイの開発をお願いしたい。

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