そこが気になる「0.1」の差 イー・モバイルとドコモのHSUPAサービス:ふぉーんなハナシ

» 2009年06月01日 22時20分 公開
[ITmedia]

 モバイル環境の通信速度は、これまで主に下り速度が注目されてきたが、昨今は上り速度にも注目が集まるようになってきた。上り高速化の先駆けは2006年末にauが投入したEV-DO Rev.Aで、下り最大3.1Mbps/上り最大1.8Mbpsというカタログスペックは現在でも一線級だ。

 次にイー・モバイルが、2008年11月から下り最大7.2Mbps/上り最大1.4MbpsのHSUPAサービスを開始、さらに2009年4月には上り速度を最大5.8Mbpsに高速化した。いち早くHSDPAを導入したドコモは、すでに全国人口カバー率100%というFOMAハイスピード網(HSDPA)を構築しているが、上り速度については後手となり、ようやくこの6月から上り最大5.7MbpsのHSUPAサービスを開始する。

 ここでちょっと気になるのが、イー・モバイルの“5.8Mbps”とドコモの“5.7Mbps”という数値の差。HSUPAといってもカテゴリがいくつもあり、最大通信速度によって標準仕様が決まっている。両者が始めたサービスの場合、おそらくHSUPA カテゴリ6(5.76Mbps)を採用したものと思うが、同じ規格でありながらうたっている通信速度が違うのはなぜだろうか? HSDPAについてはキャリアに関係なく3.6Mbpsや7.2Mbpsと数値がそろっているというのに。

 イー・モバイル広報に聞いたところ、「“5.8Mbps”という数字は、サービスの固有名詞ととらえてください」という回答を得た。5.8Mbpsというのは採用した技術に沿った数字とのことだが、仕様上のスペックを最大通信速度としてうたっているわけではないという。ちなみに、どのカテゴリを採用したのかは開示していないということだった。

 さてドコモはどうだろうか。2009年夏モデルの発表会の際に担当者に聞いたところ、「最大通信速度としてうたっているのは、標準で決まっているスペックから小数点2位をまるめたもの」という答えだった。おそらくドコモは、HSUPA カテゴリ6の技術仕様から、最大通信速度を“控えめ”に採用したのだろう。

 いずれにせよ、HSUPAサービスの実効速度(上り速度)はせいぜい2〜3Mbpsで、よほどの好条件でもおそらく5Mbpsを超えることはないだろう。携帯電話だけでなく、ADSLやFTTH、無線LAN、Bluetoothと、通信サービスのほとんどは「理論値」というカタログスペックをもとに差別化を図り商品化されるのが慣例だ。

 それだけに、わずか0.1の違いに生き馬の目を抜くモバイル業界の今を垣間見た気がした。

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