PHSのチップセットや通信モジュールなどを開発しているエイビットは、2台間でのみ通話ができる「ペアフォン」を「ワイヤレスジャパン2009」で展示。ペアフォンは親子のホットラインとしての利用が想定されており、同社はワンタッチで通話ができる簡単操作と、内蔵の防犯ブザーによる安心機能などをアピールしていた。
ペアフォンは通話に特化しているため、メールやWebブラウザなどは利用できない(そもそもディスプレイを搭載していない)。通話にはウィルコム網を使い、端末には「070」で始まる電話番号が割り当てられる。発売時期は未定だが、「2009年度中には発売したい」(説明員)とのことで、端末は量販店やウィルコムショップで販売する予定。“ペアで使う”というコンセプトのとおり、「2台1セットで販売することが基本となる」ほか、「ウィルコム端末とのセット販売や、定額プランの料金を2台で1台分にするなどの措置も検討している」という。
ペアフォンで通話ができるのは、端末の購入時に設定した電話番号のみで、本体の発話キーを押すと相手に発信できる。登録外の番号から電話がかかってきても受けられず、相手の端末には(ペアフォンの持ち主が)電話に出られない旨のメッセージが流れる。
通話プランは「ウィルコムの定額プランに準じたものになる予定」(説明員)。ペアフォン同士での利用が一般的になるが、ウィルコム端末や他キャリアの端末を通話相手に設定することもできるようだ。ただし他キャリアの番号を設定した場合、「定額で話せなくなるので、現実的ではないだろう」とのこと。また、端末の価格は「通常のウィルコム端末よりは安くしたい」という。
このほか、ウィルコムのW-SIMを搭載したハンズフリー電話機「エス・オー・エス ボタン(SOSボタン)」も展示されていた。“電話機”というよりは“ボタンそのもの”ともいえる同端末は、着信するとボタンが赤く光って音声案内が流れ、ボタンを押すと応答できる。1人暮らしのお年寄りの見守り、医療機関や商業施設での連絡といった利用が想定されており、携帯して持ち歩くのではなく、据え置きで使うことになる。発売は2009年度内の予定。
「人感センサー」「温度センサー」「転がりセンサー」「状態センサー」という4つのセンサーを内蔵しているのも特徴の1つ。利用者が倒れたり、エス・オー・エス ボタンが転がったりすると、あらかじめ登録したメールアドレスあてにライトメールが送信される。人感センサーは2メートルほどの範囲にいる人の動きを感知できる。
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