米Appleは9月9日(現地時間)、サンフランシスコで開催したプレス関係者向けのスペシャルイベントで、第3世代の「iPod touch」や動画の撮影が可能な「iPod nano」、価格改定や限定モデルの追加が行われた「iPod shuffle」、160GバイトのHDDを採用した「iPod classic」、最新機能を搭載した管理ソフト「iTunes 9」などを発表した。このイベントで発表された新たなiPod touchの登場に合わせ、iPhone OSは3.0.1から3.1にバージョンアップ。iPhone 3GやiPhone 3GSでも新機能が利用できる。
iPhone OS 3.1の配信はすでに始まっており、iPhoneと、OS 3.0をインストール済みのiPod touchは無料で、OS 3.0をインストールしていないiPod touchは600円でダウンロードできる。すべての新機能を利用するには、iTunes 9も必要なので、アップデート前にiTunesも最新版にしておくのがいいだろう。
今回のアップデートで提供された主な機能は以下のとおりだ。
iPhone OS 3.1の新機能の中でも、特に注目したいのがApp Storeに導入された「Genius」によるアプリのレコメンド機能だ。自分が選んだ楽曲に近い未知の楽曲をiTunes Storeからピックアップしてくれる「Genius サイドバー」のように、ユーザーが持っているアプリから傾向や好みを判断し、お勧めのアプリをお勧めしてくれる。
Appleによると、App Store(米国向け)には、すでに7万5000本を超えるアプリが登録されており、ダウンロードは18億回を超えたという。これだけのアプリがあると、新しく登場するアプリはメディアやレビューサイトで紹介されたり、ランキングの上位に入ったりしないと、なかなか多くの人の目に触れる機会がないが、アプリのGeniusが実装されれば、ユーザーの好みに合った新着アプリなどが容易に見付けられるようになる。
ランキングに、ダウンロード数による順位に加えて、売り上げによるランキングが新たに用意されたのも興味深い。高額なアプリに若干有利なランキングになるが、金額ベースでの順位が用意されたことで、値段が高い割に売れているアプリなどが上位にランクインしやすくなりそうだ。
iPhone/iPod touch上のApp Storeから、直接iTunesカードやコードが使えるようになったのもポイントだ。これまでは、iTunes Storeではクレジットのチャージができたが、App Store側にも同様の仕組みを用意した。
また、iTunesのアカウントに登録されているクレジット残高が表示できるようになったのも、アプリを多数購入している人には朗報だろう。iTunesカードでチャージした額を超えてアプリを購入すると、自動的にクレジットカードに課金されるが、iPhone上でアプリを購入する際に、残額がいくらあるかを確認できれば、割安に手に入れたiTunesカードでのチャージ残高を超える買い物はしない、といったことが可能になる。
iTunes 9との連携で、待望のホーム画面管理機能が用意されたのも大きな進歩だ。今まで、新たにアプリをインストールすると自動的に最も1画面目に近い空きスペースにアイコンが追加されていったため、アプリを使いやすい画面に配置していても、いつしかカテゴリー分けがぐちゃぐちゃになってしまったものだった。しかしこの管理機能を利用すれば、iTunes上でどのアプリをどの画面のどの位置に配置するかを指定できるので、整理整頓がしやすい。アイコンを長押しして、何画面もドラッグする必要がなくなるのはありがたい。
このほか、新機能「Genius Mix」やミュージック、ムービー、テレビ番組、ポッドキャストおよび写真の同期オプションが豊富に用意されるようになったこと、iTunes U コンテンツの整理機能が用意されたことなどもトピックだ。
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