映像コンテンツ視聴のスタイルが変わる?──KDDI「ケータイ×TV連携 FMBCスマートプラットフォーム」CEATEC JAPAN 2009(1/2 ページ)

» 2009年10月07日 08時30分 公開
[園部修,ITmedia]

 KDDIが、CEATEC JAPAN 2009の展示ブースでひときわ大きなスペースを構えてアピールしているのが固定通信ネットワークと携帯電話の通信ネットワーク、そして放送を融合した「ケータイ×TV連携 FMBCスマートプラットフォーム」だ。このFMBCスマートプラットフォームの展示では「“あなただけ”新視聴スタイル」と題して、ユーザーの好みに合わせたコンテンツを、ユーザーの利用機器や利用シーンに合わせてレコメンドする技術をデモしている。

 技術の核になっているのは、KDDIが開発した「『嗜好・コンテンツ』解析/マッチング技術」だ。この技術では、4つのコンテンツ視聴の形態を提供する。

  1. メディア横断おすすめ視聴
  2. テレビダイジェスト視聴
  3. ケータイ・TV連携ニュース視聴
  4. ファミリーコンテンツおすすめ視聴

 それぞれの視聴形態は、自宅に設置されたセットトップボックス(STB)とテレビ、そして携帯電話が連携して提供されるのが特徴だ。

メディア横断おすすめ視聴

 メディア横断おすすめ視聴は、個人の好みに合わせて最適な情報をテレビや携帯電話で視聴できるようにする技術だ。ユーザーの属性(プロフィール)や過去の利用履歴、そしてほかのユーザーの利用傾向を嗜好情報化し、ユーザーが好きそうなTV番組があれば、STBが自動で録画しておいてくれるので、ユーザーは一覧表示の中から見たいものを選んで視聴できる。TV番組の放送時間に縛られない映像視聴が可能だ。

 またネット上で共有されている動画やビデオオンデマンド(VOD)のコンテンツなども、メタデータ(字幕や外部データ)をキーワードとして検索し、画面上に表示する。これにより、外出時には携帯電話で、家にいるときはテレビで、あるいはPCで、おすすめの映像を視聴できる。

PhotoPhotoPhoto ユーザーの好みを学習し、最適な情報をPCやTV、携帯電話上で視聴できるのが「メディア横断おすすめ視聴」の特長。TV番組だけでなく、VODやネット上の動画もおすすめしてくれる

テレビダイジェスト視聴

 自宅のSTBが撮りだめておいてくれた映像を、外出時の携帯電話などで視聴する場合でも、毎回番組の冒頭から終わりまでをすべて視聴したいわけではないだろう。ちょっとした空き時間などに、重要なポイントだけを確認できれば非常に便利だ。こんな時に役立つのが、録画済みの映像コンテンツを適宜編集して、紙芝居風のコンテンツを生成してくれる、テレビダイジェスト視聴機能である。

 テレビダイジェスト視聴機能は、地上デジタル放送に含まれる番組情報や字幕情報を元に、「文節境界検出技術」を用いて字幕を連結・整形して読みやすくするほか、映像と字幕のずれを音声認識技術で推定して補完。さらに使用する静止画の数を「類似画像検出技術」を用いてコンテンツのサイズを軽量化する。こうして字幕付きの“紙芝居”が出来上がる。

 「番組制作者の意図を推定することで、番組内の重要な部分、制作者が強調している部分を検出します。カメラワークや撮影アングルなど、撮影技法を映像の特長量から推定するんです。こうして重要な映像のサムネイルを抽出します」(説明員)

PhotoPhotoPhoto テレビダイジェスト視聴技術は、映像の中のキーとなるコマと字幕を抽出して、携帯電話などで紙芝居風に視聴できるという技術。20分の番組が5分程度で確認できるようになるという

 このコンテンツ生成技術は、独自の高速かつ低負荷なアルゴリズムを採用しているため、STB上で短時間にコンテンツが生成できるという。

 実際に出来上がった紙芝居風のデータは、適宜字幕も表示されるため、パラパラめくっていくだけで何となく概要は把握できる。圧縮率やサムネイルの数を調整することで長さを変更することもできるそうだが、おおよそ20分ほどの映像が5分で見られるくらいに整形される。朝のニュース番組を、電車の中で5分ほどで確認できるというわけだ。なお、紙芝居風のデータを見ている途中で映像が見たくなったら、その場面からの映像が視聴できる。

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