ワイヤレスチャージャーは水平状態での利用が推奨されているが、Qiマーク同士が近づいていれば立てかけた状態でも充電できる。ワイヤレスチャージャーのフットプリントは意外に大きので、省スペースという点では縦にしたいところだが、不安定になるのでやめたほうがいいだろう。
Qiマークの位置が重なっていても、ある程度離れていると充電できない。例えば、端末のディスプレイ側を下にすると充電できなかった。薄い紙や布、クリアファイルが挟まったくらいなら大丈夫だったので、樹脂製のジャケットであれば端末に付けたままでもワイヤレス充電できるだろう。ただし、充電中に熱を帯びることがあるので、異物を挟んだ状態での充電や、布をかけたり密閉状態での充電はNGだ。
当然ながら金属を挟むと充電できないし、事故の原因にもなりかねないので特に注意したい。また、電磁誘導を利用しているため磁気カードなどを近づけると記録された情報に影響がでることがある。逆に、強い磁気を近づけるとワイヤレスチャージャーの誤動作につながる場合もあるという。
Qiに対応するSH-13Cだが、実は端末本体にはコイルがなく、電池パックにコイルが内蔵されている。そのため、電池パック単体でのワイヤレス充電も可能だ。まったくオススメできないが、背面カバーを外した状態でも充電できる。ちなみに、電池パック単体でも裏返すと充電できない。
SH-13Cはワイヤレス充電だけでなくUSB充電も行える。公開されたスペックの充電時間は、USBに変換したACアダプタでもワイヤレスチャージャーでも220分と差はない。ただ、ワイヤレス充電は状況に応じて通電量をコントロールするそうなので、USB充電よりも遅くなる場合もあるという。
スマートフォンは携帯電話と比べて電池の消耗が早く、毎日の充電が欠かせない。特にAndroid端末の充電はMicro USB端子を使う場合がほとんどで、そのたびに端子カバーを開けてUSBケーブルを着脱するが、SH-13Cのような防水仕様のスマートフォンではあまり頻繁にカバーを開けたくないのも事実だ。
ワイヤレス充電は、据え置きの充電器を使う点で卓上ホルダを使った充電と感覚が似ているが、ある程度無造作に置いても充電できるなど、手軽さがまったく異なる。また卓上ホルダが各端末専用なのに対し、Qiに対応する製品はそれぞれ互換性があるのも大きな違いだ。SH-13Cに付属するワイヤレスチャージャーで、ほかのQi対応製品も充電できる。
iPhoneをQi対応にするジャケット型のバッテリーや、汎用のモバイルバッテリーと組み合わせた製品もすでに発売されているなど、Qiに対応した製品は徐々に増えてきている。また、ドコモでは、映画館や空港ラウンジ、コーヒーショップなどにワイヤレス充電が行えるスポットを展開する予定とのことで、モバイル機器はワイヤレス充電するのが当たり前――。という日も、案外近いのかもしれない。
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