インタビュー
» 2013年01月16日 19時52分 公開

開発陣に聞く「HONEY BEE 5」:新型HONEY BEEが追求した2台目端末としての“最適解” (2/2)

[房野麻子,ITmedia]
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輸入菓子のようなカラーを採用

―― カラーバリエーションについてですが、このツートーンカラーはかなり個性的な組み合わせですね。

長尾氏 女子高生のカバンの中に入っている色は、どんなものだろうと考えました。彼女たち特有の嗜好を考えて探し、輸入菓子のたたずまいだと思い当たりました。大人はあまり好みませんが、彼女たちはパッケージがかわいいとか、持っているだけでテンションが上がるという理由で持つこともあります。カラーについては「chemical snacks」(ケミカルスナック)というコンセプトを立て、お菓子やスイーツのような色を端末に落としこんで決めていきました。大胆なツートーンカラーを採用していますが、これも調査を繰り返し、色相差の大きいものから淡い色までたくさん用意して、女子高生に受け入れられる色はどんなものかを決めています。

 例えばピンクに関してリサーチすると、黄みのかかったピンクから青みの強いものまで、年代によって好まれるピンクがかなり違いました。黄みが入ったものは若い人に好まれ、淡いピンクは30代から年配の方に好かれる傾向があります。

photo

―― パターンはどのくらい考えたのですか。

長尾氏 調査したもので15パターン以上はあると思いますので、色自体はもっと多くなります。また、素材感のコントラストも効かせています。パールが入った質感のある塗装と生地の色をそのまま出した部分、背面のソリッド色、上下先端のパネルはシボ加工と、質感のコントラストを付けています。キーも色によって質感の異なる塗装を施して、贅沢な処理を施しています。

―― 一般的に上下のツートーンカラーでは、下の方が濃い色というイメージがありますが、HONEY BEEは反対に上に強い色を持ってきているものが多いですね

長尾氏 樹脂色やソリッド色はビビッドカラーを生かすことができ、これらの色をボディ上部に使うことで端末の見栄えとインパクト、そして色のきれいさをさらに強調できます。またボディ下部に使われているカラーには、質感を加えて統一感を出しています。ツートーンカラーの色相の差も同色系から反対色までそろえ、今までのカラーバリエーションとは違う、新しい個性を出せたと思っています。

―― カラーリングのコンセプトがお菓子ということですが、製品のカラー名はお菓子のイメージではありませんね。

横田氏 そうですね。もちろん、その方向も検討しました。ただ、店頭で混乱する危険があります。例えば「Blue×Red」には「パンチソーダ」という名称案がありましたが、店頭でパンチソーダといってもどんな色か分からない可能性があります。そこで、分かりやすくシンプルに、上下の色の名称にしました。これまでもHONEY BEEは、基本的に名称によってイメージを付けないスタンスできました。お客様が楽しい呼び方をつけてくださればいいと思っています。

長尾氏 「Yellow×Orange」は「プーさん」と呼ばれているのをネットで見ました(笑)

横田氏 「Blue×Red」は、某アイドルグループが出演している映画のキャラクターのイメージカラーになっていると指摘されたりしています。もちろん、こちらが意図したわけではありませんが、楽しんでいただいている。お客様によって、そういったイメージがどんどんついていくようなものにしたいと思っています。

HONEY BEEだから、ここまでできた

―― こうしてみると新モデルは従来のHONEY BEEから、かなり変わっていますね。

横田氏 コミュニケーションツールとしての電話というコンセプトは変わっていません。ただ、ターゲット層である女子高生の趣味嗜好や持っているものが、初号機発売の2008年から比べるとまったく変わっています。初代からHONEY BEE 4までは同じコンセプトで、彼女たちの好きなもの、ということでやってきましたが、今回は本当に今のままでいいのかと立ち返って考えました。

 コミュニケーションツールとしては必要だが、彼女たちの“今”の趣味嗜好に合わせた形にしなくてはいけない。今までは元気でポップなカラーだったけれど、最近は淡いカラーもカワイイと認識されるようになったので、それも加えました。全体を見直したので、テイストは変わっていますが、コミュニケーションツールとしての楽しさや2台目のポップさ、カラフルさはしっかりと取り入れ、全体としてHONEY BEEの世界を作り上げています。

―― ユーザーの趣味嗜好が変わり、1台目がフィーチャーフォンからスマートフォンになる中で、HONEY BEEも機能を増やし、防水に対応し、形やテイストを変えたということですね。別の新しいブランドを作ろうという考え方はなかったのでしょうか

横田氏 今回はHONEY BEEシリーズの新しいものということで決まっていました。

―― ここまでカラーバリエーションが多いと、メーカーとしても負担も大きくなると思いますが。

横田氏 開発や製造は確かに大変ですが、HONEY BEEの元気のよさを表現するにはカラーバリエーションは必要です。これが2色や3色だったら、とてもHONEY BEEとは呼べません。

西本氏 HONEY BEEのコンセプトに「群れる」というものがあります。カラーバリエーションが豊富で、友達みんなでいろいろな色を選ぶというのがブランドのコンセプトとしてあり、そういう部分も大切にしています。

横田氏 最近は端末のカラーバリエーションが減る傾向ですが、そこはHONEY BEEらしく、みんなで選んで楽しいというところは大事にしたい。また、社内でもHONEY BEEはそういうものとして認知されています。今回、長尾のアイデアで各パーツの色を変えていますが、それも許される。もちろん、想定するターゲット層で支持されることを予想した上で、本当に必要な色なのかをしっかり調査しています。

―― 色違いのHONEY BEE 5を買ったユーザー同士で、バッテリーカバーを交換することもありそうですね。

横田氏 たぶんあると思います(笑)

photophoto 背面もカラフル

―― どのカラーが人気という傾向は、もう出てきているのですか。

横田氏 開発時にリサーチを行っているのですが、その時点でそれほど支持されなかった「Yellow×Orange」が、実際はよく売れています。HONEY BEEは女子高生をターゲットにしていますが、男子でも使えるブランドにはなっていますので、男子が選ぶと予想される「White×White」と「Black×Brown」もやはり人気ですね。それ以外の色については大きな差はありませんが、ピンク系は人気です。特に「Violet×Pink」が人気ですね。

 なお、今回、店頭で購入していただくと、ハチのマスコットが付いてくるといったキャンペーンを行いました。なかなか凝っていて、ハチの持っているPHSもHONEY BEE 5のカラーになっています。

photophoto 購入者に配布している“ハチ”キャラクターのノベルティグッズ。すでに在庫がなくなった店頭もあるという

―― これはかなり凝っていますね。ほかのノベルティーグッズや販促品と力の入れ方が違うように感じます(笑)

横田氏 ブランド構築という意味もあります。HONEY BEEブランドは大事にしていかなくてはいけないので、端末を買っていただくのはもちろんですが、HONEY BEEは楽しいことをしてくれる、という認識を持っていただきたい。そうする価値があるブランドと考えています。

西本氏:社内にもHONEY BEEのブランドコンセプトは浸透しています。やりすぎくらいなものを提案しないと、社内でも「足りない」と言われま。コンセンサスができているので、ほかの端末ではできないようなチャレンジングなこともできる。もちろん商品化はきちんと調査した上で進めますが、HONEY BEEブランドだからできることと意識してやっています。

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