LGエレクトロニクス・ジャパンは3月26日、4月4日にNTTドコモから発売される「Optimus G Pro L-04E」の製品説明会を開催。最新のフラッグシップモデルを日本向けに最適化していち早く投入するなど、日本市場を一層重視する姿勢を明らかにした。
LGエレクトロニクス・ジャパンのPR&デジタルマーケティング次長であるキム・ドンゴン氏は、日本市場への取り組みについて説明した。同社のスマートフォンはこれまで、すでに海外で発売されているグローバルモデルの中から、日本市場に投入するモデルを選ぶ形を取っていた。だが2012年秋モデルの「Optimus G L-01E」からは、「日本市場にいち早くフラッグシップモデルを投入し、その後、ほかの国々へ展開する日本市場を重視する方針に転換した」(キム・ドンゴン氏)。事実、日本では発売済みのOptimus Gも、これから投入される国が多いとのことだ。
続いて、モバイルコミュニケーションプロダクト課長のキム・ヒチョル氏が、Optimus G Proの製品内容について説明した。Optimus G Proは、韓国で発売されているグローバルモデルと、日本向けに投入されるモデルでとではいくつかの違いがあるが、それはFeliCaやNOTTV、赤外線といった日本特有の機能だけではないという。最も大きな違いはディスプレイサイズで、グローバル版のOptimus G Proのディスプレイは5.5インチであるのに対し、日本版は5インチとやや小さくなっている。
日本版だけディスプレイを小さくした理由として、キム・ヒチョル氏は「他国とのスマートフォンの利用スタイルに違いがあるため」と話す。韓国などでは、キーボードの形状の違いなどからスマートフォンを両手で持って文字入力することが多く、また音声通話もBluetoothヘッドセットを利用する人が増えている。それゆえ片手での持ちやすさより、ディスプレイの大きさに対するニーズの方が高いのだという。
一方日本では、音声通話時にスマートフォンを直接持ち、耳に当てて通話をする人がほとんどなほか、メールを書く時もフリック入力のキーボードを用い、片手で入力することが多い。そうした持ち方に対する意識の違いから、「ディスプレイサイズの変更が必要」と判断したのだそうだ。
利益を考慮するならば、グローバルモデルをそのまま横展開した方がよいが、それでは日本市場で通用しないことから、片手で持ちやすいようサイズを変更するという大幅なカスタマイズを加える形で、日本市場向けモデルの開発は進められたのだという。
ディスプレイサイズは異なるものの、グローバル版で高い評価を得たポイントはしっかり取り入れていると、キム・ヒチョル氏は説明する。1つは、3000mAhとスマートフォンとしては最大級の容量を誇るバッテリーだ。日本のさまざまなアンケートにおいて、ユーザーがスマートフォンに不満に感じている要素はバッテリー関連であることが多いことから、「(ドコモの)春モデルでは断トツ」(キム・ヒチョル氏)となる大容量を実現したと話す。
その一方で、Optimus G Proは防水性能が省略されている。これについて金氏は、「防水を入れて端末サイズを大きくしたり、バッテリーを小さくしたりすることも考えたが、今回はサイズとバッテリーの持ちを重視した」と明かした。
またOptimus G Proは、LGエレクトロニクスが得意とするディスプレイにも特徴がある。Optimus G Proに搭載されているのはフルHD解像度のIPS液晶だが、新たに「ゼロギャップタッチ」という工法を取り入れた、新しいディスプレイだという。
スマートフォンのディスプレイは通常、液晶とカバーガラスの間にタッチ操作を実現するためにフィルム状のセンサーがあり、空気の層が設けられている。だがゼロギャップタッチ工法では、カバーガラスとタッチパネル用センサーを一体化させることで間の層がなくなり、ディスプレイの透明度が30%アップしているとのこと。キム・ドンゴン氏は「液晶に直接触れているような感触が得られる」と、その優位性をアピールした。
CPUはOptimus Gと同様にQualcommのクアッドコアCPU「SnapDragon S4 Pro」を継続して搭載しているが、周波数は1.7GHzにアップしている。処理能力のさらなる向上によって、メインカメラとインカメラを同時に用いて動画撮影ができる「デュアル動画」を実現。さらに、複数のアプリを同時に動かすことができる機能「Q Slide」もバージョンが2.0にアップデートし、同時に2つのアプリをポップアップウィンドウ化して操作できるようになった。
「Optimus G Proはスペックで、どれをとっても負けている所がない」と、キム・ヒチョル氏は日本市場での発売に自信を示す。だが、発売時期が4月を予定するなど、春モデルとしては遅い時期の登場となってしまった。このことについてキム・ドンゴン氏は、「もう少し早く発売できるよう準備を進めていたが、やはり日本向けにフルカスタマイズしたことが影響した」と振り返った。
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