クラウド管理で移動中もファイルの閲覧/編集が可能に――「データ保管BOX」キャリアサービスの使い方 ドコモ編

» 2013年09月10日 07時00分 公開
[村上万純,ITmedia]

 NTTドコモが提供するクラウドサービス「データ保管BOX」は、スマートフォン/タブレット、PCからアップロードしたファイルをクラウドで管理できるサービス。端末本体の容量だけでは心許ないという人や、スマホのデータをバックアップしたいけどPCといちいちケーブルで接続したり、microSDを使うのは面倒――という人にオススメだ。

 対象機種はAndroid 4.1以上搭載のドコモ向けスマートフォン。対象機種のユーザーならPCのクラウドサービスとしても利用でき、PC用ファイルの保存先としても活用できる。もちろんスマホからアクセスできるので、通勤中に「今日の会議で使う資料の最終確認がまだだった」と気付いたビジネスパーソンや、「レポート提出直前なのに、手元にPCがない!」と悩める大学生の強い味方にもなるだろう。

「Dropbox」との違いは?

 データ保管BOXに似たクラウドサービスは数多くあるが、その筆頭に挙がるのが「Dropbox」だ。すでに利用している人も多いだろう。では、データ保管BOXとDropboxはどんな点が異なるのだろうか。

photophotophoto アップロードしたファイルはクラウド上に保管される(写真=左)。オフラインでも利用できる(写真=中)。アップロード元は、端末本体、SDカード、アプリケーションからそれぞれ選べる(写真=右)

 最も大きな違いは、Dropboxでは他のユーザーとファイルをシェアできるが、データ保管BOXはあくまでユーザー個人でファイルを閲覧/編集することを想定している点だ。そしてDropboxはPCに専用ソフトがなくてもWebブラウザからアクセスできるが、データ保管BOXはPCからアクセスする場合、専用ソフト(Windows XP/Vista以降)が必須になる。

 ユーザーの認証方法も少し異なる。Dropboxがメールアドレスとパスワードのみでログインできるのに対して、データ保管BOXはdocomo ID/パスワードと専用ソフトのダウンロードが必要になる。また、使えるPCは、spモード1契約につき2台までだ。

 無料で使えるデータ容量はDropboxの2Gバイト(増量キャンペーンを除く)に対し、データ保管BOXでは5Gバイト(spモードの契約が必要)と3Gバイト分多い。ただし、これは次回紹介する「フォトコレクション」と合わせた容量だ。このほか、Dropboxではファイル操作の履歴が見られるなどの違いがある。そしてサービスそのものの差ではないが、サードパーティのアプリやサービスが不安という人なら、ドコモ自身が提供するサービスに安心感を覚えるかもしれない。

 次にモバイル環境でクラウドサービスを使うときに心配になるのが、スマホが圏外などで通信できない場合だ。データ保管BOXのスマホアプリはファイルに「オフライン利用」を設定することで、クラウド上のファイルをスマホに読み込み、圏外でもファイルの閲覧/編集ができる。またDropboxもファイルを「お気に入り」に設定すると、端末にファイルがダウンロードされて、圏外でも利用できる。

 そのほか、ファイルのバックアップができる点や、スマートフォン/タブレットでアップロードしたファイルの閲覧/編集ができる点、PCの専用サイトでファイルを扱える点、ファイルの並び替えや検索ができる点などは同じだ。扱えるファイルはどちらも、写真や動画、PDF、Microsoft Offic関連などほとんどの形式に対応している。

容量増加は有料オプション

 データ保管BOXの容量が5Gバイトでは物足りないという人は、有料の「クラウド容量オプション」で容量を増やせる。月額使用料がそれぞれ105円で10Gバイト増量、262.5円で25Gバイト増量、420円で50Gバイト増量となっている。どの追加容量でも、最大31日間は月額使用料が無料になる。Dropboxの有料版は、月額9.99ドル(約1000円)で100Gバイトからの拡張しかできない。少額で少量の拡張を行いたいという人には、データ保管BOXがオススメだ。

ファイルの編集には専用アプリが必要

photophotophoto テキストファイルを読み込む際、端末に搭載されたアプリケーションが立ち上がる(写真=左)。「HTML Viewer」は閲覧専用だが(写真=左)、「DB テキスト エディタ」など編集用アプリを使って編集ができる(写真=右)

 2つを実際に使ってみたところ、DropboxではスマートフォンからアップロードしたファイルはすぐにPC上で表示されたが、データ保管BOXでは少し時差があった。スマートフォン/タブレットからアップロードしたファイルをすぐにPCで閲覧/編集したい場合は、気になるところだ。

 またデータ保管BOXもDropboxも、スマホでファイルを開くには端末にファイルを扱うためのアプリが必要だ。例えば、AQUOS PHONE ZETA SH-02E(Android 4.1)でテキストファイルを開いたところ、「HTML Viewer」と「Office Suite」を選択するダイアログが表示される。しかし、これら2つにはテキストファイルの編集機能が付いてない。Office Suiteでテキストやオフィス文書を編集するなら、有料版へのアップグレードが必要だ。ちなみにDropboxの場合は、インストールすると同時にテキストを編集できる「DB テキスト エディタ」がダウンロードされる。

 同じく画像ファイルの場合は、「ギャラリー」「EPSON プリンター」「おまかせアルバム」のいずれかのアプリを選択するダイアログが表示された。画像ファイルも閲覧だけでなくなんらかの加工/編集をするなら、それができるアプリを入手する必要がある。クラウド上のファイルを開きたいが、扱えるアプリがインストールされていない!――ということもあるので注意したい。

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