2013年9月20日、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイルが新型iPhoneを発売した。アップル初の2種類同時販売ということで注目が集まった。登場したのは最新鋭の「iPhone 5s」とカラフルなボディが特徴の「iPhone 5c」だ。当初、iPhone 5cは廉価版という印象が強かったが、激安というほどに安価ではなく、アップルの高級ブランド維持戦略が健在であることをうかがわせる。
iPhone 4の登場以来、ボディの形状はほぼ変わらず、今回で4代目となる。この形状はアップル製品を見分ける大きな特色の1つといえる。横幅はずっと変わっておらず、画面サイズやバッテリスペース以上に片手で操作できることを重視した表れだろう。
基板は、板ガムを少し大きくした形状で、iPhone 5sもiPhone 5cもサイズは同じだ。基板の幅はSIMスロットの大きさで決まっているともいえ、ほかに類を見ないほどに細い。基板上部に液晶ディスプレイ、タッチパネル、カメラなどを接続するコネクタを集中配置するレイアウトも同様だ。iPhone5sとiPhone 5cでは、上部コネクタ群を90度の角度で向かい合うように配置して、iPhone 5sではこの中央部にモーションセンサープロセッサ「M7」(NXP製)を搭載する。
今回入手したiPhone 5sとiPhone 5cは、ソフトバンクモバイルが取り扱うモデルだ。基板上の部品は、iPhone 5sとiPhone 5cでほぼ同じであった。わずかに違うのはプロセッサで、iPhone 5sにはA7、iPhone 5cにはA6を搭載している。QualcommとDialog Semiconductorの電源管理IC、Qualcommの通信部品、Texas InstrumentsとBroadcomのタッチパネル制御ICなど構成はどちらもiPhone 5と共通する。
しかしながら、通信ICとアンテナの間を構成する部品(開発者は「フロントエンド」と呼ぶ)は、中国通信規格の“TD-SCDMA”方式など対応する通信規格が大幅に増えたため、iPhone 5の部品とは大きく変わった。検証した機材では、米国のSkyworks、TriQuint、Avago、RF Micro Devicesなどのロゴを確認できている。
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