温度は、それぞれの想定利用パターンでアプリを実行してから、5分、10分、20分、30分における背面パネルの温度を、9カ所で測定している。測定する9カ所のポイントは、背面をほぼ均等に4×4のます目に区切り、ます目を区切る格子の交点を選んだ。ただし、第2ポイントだけは、高温になりやすい金属部分のカメラレンズカバー枠を測定した。
また、その前に実施したテストで走らせたアプリの発熱に影響されないように、1つのテストで温度測定が終わったら、扇風機で本体を冷やして、アイドル状態で測定した温度まで下がってから次の温度測定を行っている。なお、ネットワークインフラは、容量制限のあるキャリア回線ではなく、WiMAX+無線LAN接続でストリーミング再生を行った。LTEモデムを駆動していないので、その分だけ発熱状況は変わってくることを考慮していただきたい。
なお、今回測定を行った部屋の温度は24.5度、デバイス本体をおいたパネルの表面温度も24.2度で安定していた。この環境条件において、アイドル状態における背面パネルの温度は、27.6度から25.8度の範囲に分布している。
背面測定ポイント | No.1 | No.2 | No.3 | No.4 | No.5 | No.6 | No.7 | No.8 | No.9 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
アイドル状態 | 27.6 | 27.6 | 27 | 26.4 | 26.6 | 26.6 | 25.8 | 26.2 | 26 |
今回想定した「通常の利用場面」の場合、音楽のストリーミング再生でも動画のストリーミング再生でも、背面の温度は最高でも35度以下と、体温より高くなることはなかった。負荷が高くなると仮定していたサブウインドウにおけるストリーミング動作再生でやや高くなったものの、それでも、最も高いポイントで35.4度にとどまっている。
しかし、3DMark for Androidが走り始めると、いきなり背面温度が高くなる。温度が特に高くなるのは測定ポイントのNo.1、No.2、No.3といった本体上部で、中でもカメラレンズカバーの縁とその右側に当たる部分では、50度を超えるレベルに達している。高温を示したすべてのポイントで温度上昇の立ち上がりは急速で、開始直後からピーク近くまで達している。このことから、内部のチップ温度がそのままダイレクトに背面パネルの表面まで影響しているものと推測できる。
ただ、40度後半から50度を超える温度まで上昇するのは、背面の上部に限られていて、中央部から下部、測定ポイントのNo.4からNo.9では、最も高くなるNo.5でも40度前後、そのほかは、35度前後と体温とほぼ同じ温度でとどまっている。この程度ならば、ほかのデバイスと同じく“ほんのり温かい”と感じるぐらいですむ。本体上部で50度を超える高温になりながら、本体を持つ手が接触する中央部から下部分が体温並みの温度で収まっているのは、内部の熱対策という観点では成功といってもいいかもしれない。
一方で、最初1万6000ポイント台を出していた3DMarkのスコアが開始10分過ぎから9000台に下降するなど、処理能力という視点では好ましくない状況といえる。また、3DMarkのようなグラフィックス演算を多用するゲームを実行するときは、その多くが本体を横向きにして使うため、手が接触する部分も本体下部ではなく、本体の上部も含まれることを、スマートフォンゲーマーとしては認識しておきたい。
今回の背面温度測定で、“通常の利用”においてGALAXY Note 3の背面温度はユーザーに不快を与えるレベルではなかった。50度を超えるのはベンチマークテストを走らせているときで、それも、縦持ちなら手が触れない本体上部にとどまっていることも分かった。
ただし、本体を横にしてグラフィックスコアに高い負荷をかけ続けるゲーム利用では、ユーザーも何かしらの対策を講じるのが無難なことも、今回の検証作業の結果は示しているといえるだろう。
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