東京ミッドタウンで開催された「Wearable Tech EXPO in TOKYO 2014」(3月25〜26日)で、 「ウェアラブルはスポーツを変えるか」と題する講演が行われました。元五輪代表の陸上選手為末大さんと、ソニーコンピュータサイエンス研究所の遠藤謙さんが登壇し、広い意味でのウェアラブル機器として「ロボット義足」について対談しました。
中でも興味深かったのは、「競技用義足」のお話。パラリンピックでは義足の利用が認められていますが、遠藤さんはパラリンピックの記録がオリンピックの記録を抜く日が来るのではないかと予測しています。科学技術の進歩は目覚ましいものがあり、実際に「足をなくし、義足になってからタイムが伸びたというアスリートもいる」(遠藤さん)そうです。
本来は医療技術の1つだった義足が、今や生身の身体(しんたい)をパワーアップさせるまでの存在になりました。こうなると、オリンピックやスポーツは何を競うものなのか? という疑問が沸いてきます。トレーニングで体を鍛えて……というプロセス抜きに、科学技術の競争になってしまうのでしょうか。
マイナスをゼロにする(身体の欠損部分を補う)ものが、ゼロを飛び越えてプラスにする(身体能力をパワーアップさせる)ようになった今日。スポーツの世界におけるウェアラブル機器の存在はますます大きなものになりそうです。
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