“EDGEST”をシャープの記号に――「AQUOS ZETA SH-04F」「AQUOS PAD SH-06F」で目指したもの開発陣に聞くシャープ夏モデル(ドコモ編)(2/3 ページ)

» 2014年05月23日 19時54分 公開
[房野麻子ITmedia]

好評のAQUOS PADが正統進化

 7型タブレット「AQUOS PAD SH-06F」は、2013年夏モデルとして発売された「AQUOS PAD SH-08E」に続く、シャープのドコモ向けタブレットの第2弾。通信システム事業本部 グローバル商品企画センター 第一商品企画部 主事 西郷光輝氏は「SH-08Eは非常に好評いただいています。1号機を作り上げるよりも、2号機として続けていくことの大変さを感じました」と開発時の状況を振り返る。開発にあたっては、SH-08Eを購入したユーザーや販売スタッフの話を聞くことから始めたという。

photophoto 「AQUOS PAD SH-06F」

 「話をうかがうと、1号機で評価されたのはサイズと、当時は珍しい存在だったフルセグでした。それであれば、正統進化版ということで、評価してもらったところをさらに伸ばしていこうというのが、SH-06Fのコンセプトです」(西郷氏)

 1号機はビジネスマンをターゲットとして開発したが、販売の現場ではシニアがフィーチャーフォンと2台持ちするという需要が多かったという。SH-06Fでは、そういった使われ方も意識したという。

コンパクトなボディに充実機能を搭載、通話も可能

photo 片手でも持ちやすいサイズ感を実現した

 そのSH-06Fの特徴は3ポイント。1つはサイズ感。2つ目がビジネスからエンターテインメントまで使える充実の機能。3つ目がレシーバーの内蔵だ。「SH-06Fは、これ1台で通話ができます。1号機も通話機能はありましたが、今回は持って耳に当てて通話できます」(西郷氏)

 前モデルとサイズを比較すると、横幅は107ミリから106ミリへと1ミリ細くなっただけだ。しかし、EDGEST効果で高さは190ミリから174ミリへ大幅に小型化。また、特にこだわったという厚さは9.9ミリから8.4ミリに。EDGESTのデザインテイストに合わせたサイズ感の見直しなど、もろもろの効果で重さも288グラムから233グラム(測定中)へと軽量化された。au春モデルの「AQUOS PAD SHT22」と見た目のサイズは近いが、厚さや重さに大きな差がある(SHT22は厚さ9.9ミリ、重さ263グラム)。SH-06Fは「LTE対応の7型タブレットで世界最軽量」と訴求するという。

photo 左がSH-08E、右がSH-06F。EDGESTのおかげでSH-06Fの方がコンパクトだ
photo 左がSH-08E、右がSH-06F。SH-06Fの方が1.5ミリ薄くなった

 「手に取っていただければ、絶対に体感していただける軽さです。そして画面を表示させると誰もが分かる大画面。触っていただくのが一番という製品に仕上がったと思っています。EDGEST効果や薄型化によるグリップのしやすさは特にポイントです」(西郷氏)

 機能面で注目したいのがフルセグだ。今回はデータ放送に対応しており、さまざまなニュースや番組情報を確認できるほか、画面にリモコンを表示させて番組内のアンケートやクイズに参加することもできる。また、メインターゲットであるビジネスマン向けの機能として、WordやExcelといったビジネスドキュメントを扱えるアプリは編集可能なものを用意した。従来の手書きメモ機能も継続して訴求していく。そして、狭額縁ながら上部にレシーバーを備え、スマートフォンのように電話ができる。

photo データ放送の視聴にも対応したフルセグ

 「タブレットを耳に当てて通話する人は少ないだろうと思って1号機は対応しなかったのですが、いざ電話がかかってきたときに、スピーカーフォンで周りに聞こえてしまうのが困るし、イヤフォンを挿すのも手間。かかってきたらすぐ出たいという要望をいただいたので今回はレシーバーを搭載しました。EDGESTの世界観を損なわないように、かなり苦労してレシーバーを配置しています。しかもVoLTE対応です」(西郷氏)

photo 苦労して搭載した通話用レシーバー
photo 第一商品企画部 主事 西郷光輝氏

 ドコモがこの夏からVoLTEの提供を開始するため、レシーバーもVoLTE対応のものになった。しかし、このVoLTEレシーバーは従来のものより大きく、EDGESTスタイルを採用しているAQUOS ZETA SH-04Fともども、搭載するのに苦労したという。

 サイズやビジネスシーンで利用できる充実機能を訴求するため、システム手帳でよく知られるアシュフォードとコラボレーションし、AQUOS PADを入れられる手帳も開発中だそうだ。秋ごろに発売できるように進めているという。

 「自分の考えを書いて整理するアナログと、記憶媒体としてのデジタルの2つを融合して新たな出会いができないかという思いがあって、進めているところです」(西郷氏)

photo システム手帳のカバーにAQUOS PADを入れられるポケットがある。これは試作品だが、秋ごろ発売される予定だ。

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