NTTドコモは3月2日、第5世代移動通信技術(5G)による下り4.5Gbps以上のデータ通信実験に成功したと発表した。実験の成果はスペイン・バルセロナで開幕した「Mobile World Congress 2015」の同社ブースで展示される。
実験は2月17日にEricssonと共同で行われたもので、5Gの性能確認が目的。ドコモR&Dセンタ(神奈川県横須賀市)の屋外にスモールセル環境を再現し、15GHzの高周波数帯域(400MHz帯域幅)と4×4 MIMOの通信多重化技術が使われた。実験では端末に見立てた移動局を時速約10キロメートルで走行させて下り最大4.58Gbpsを計測したほか、半径100メートル以内でも平均2Gbps以上の結果となった。
6GHz以上の高周波数帯は電波が遠くまで届きにくく、モバイル通信での利用が難しいとされる。ドコモらは5Gの超高速通信を実現するための技術検証を行っており、2014年12月にはさらに高い周波帯であるミリ波を活用した5Gの「ビーム追従機能」をNokia Networksと共同で検証。70GHz帯を用いて下り2Gbps以上のデータ通信に、屋内環境で成功している。
ドコモは2014年5月にAlcatel Lucent、Ericsson、富士通、日本電気(NEC)、Nokia Networks、Samsung Electronicsら6社と5Gに関する実験協力の合意。さらにミリ波帯の通信性能改善や6GHz未満の周波数帯の活用についての検証を進めるため、2014年12月に三菱電機、2015年2月にファーウェイとの協力について合意しており、現在は合計8社と5Gの実験を推進中だ。今後は2020年7月に開催予定の東京オリンピック・パラリンピックまでに5Gサービスを提供できるよう、研究開発に取り組むとしている。
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