調査会社・ニールセンの12月15日の発表によると、全スマホアプリのなかで日本人の利用者数が3年連続で1位だったLINE。そんなLINEで人気なのが、誰でも制作・販売できるクリエイターズスタンプだ。でも、イラストが苦手な人には難しそうだし、初期に比べると“一攫千金”も難しいと聞く…。これから素人が始めてもヒットを生む可能性はあるのだろうか?
そこで、ランキングトップを何度も獲得している、「ゲスくまの一日」の制作者・JellyFishDesignOfficeさん(以下、JellyFishさん)と、「真顔で『奴』を追いつめるスタンプ」のsyakoさんにヒットの秘訣を聞くことに!
そもそもイラストが描けないとヒットスタンプ作りは難しい?
JellyFishさんは10年ほどイラストの仕事をしていた、いわゆる“その道のプロ”。ただ、一方でsyakoさんは、「イラストはまったく描けなかったのですが、他のクリエイターさんが稼いでいるという記事を読んで、自分も!と思い挑戦しました」のだそう。
そんなお二方が語る、“稼げるLINEスタンプ”に重要なものは、イラストの技術よりも、スタンプのコンセプト。
「クリエイターズスタンプのランキング1〜300位くらいまでをチェックし、売れているスタンプの傾向をチェックしていました。(スタンプを初めて出した)当時は、シュールなネタ系の売れ行きが良く、その方向でスタンプを作りました」(syakoさん)
「はじめのうちは色々なスタンプをたくさん作っていき、その中で売上が良いものの傾向に合わせてスタンプを作っています。“かわいい×悪い”のギャップがあるネタで作ることが多いですね」(JellyFishさん)
と、それぞれ方向性は違えども、人気スタンプの傾向分析からヒットへ近づく道筋を描いたといえそうだ。ちなみに「ヒットの法則は…」とおずおず聞いてみたが、あっさりと3つのポイントを教えてくれた。
それは…、
の3つ。
おふたりのスタンプもそうだが、ランキングの上位に入るスタンプの多くが、この法則に当てはまっている。
ところで、ちょっとゲスイ話だが、気になるのは「ヒットの法則」から生み出された収入面…。おふたりは、どのくらい稼いでいるの?
「一番売り上げた時は1日、初任給の2カ月分くらいですね」(syakoさん)
「1つのスタンプが総合ランキングで10位以内に入ったときは、最高でお札が1束分くらい売れました。月の売上だと、大体平均年収の倍くらいです」(JellyFishさん)
なんとも夢がある!
「出品にもお金はかからないので、まずは1つ目を作るのが第一歩」とsyakoさん。手描きの線や写真の輪郭を自動でイラスト化してくれるアプリ「Adobe Capture CC」(Android版/iOS版)などを使えば、紙に書いた手描きでも簡単にスタンプにできるし、やる価値は十分だろう。
ただ、「最近急激にスタンプ数が増えて…」とお二方も語るとおり、スタンプの数が爆発的に増加しているのは確か。群雄割拠のクリエイターズスタンプの世界だが、一攫千金の夢を追いかけ、年末年始の休みはスタンプ作りに勤しんでみるのもいいかもしれない。
(河島マリオ)
【取材関連先リンク】
■syakoさん
シュールな作風で人気。スタンプで得た収益でゲームアプリ開発を行い、こちらも20万ダウンロードを超える人気に。スタンプ作成にはAdobe Photoshopのブラシツールを使用
・syakoさんのスタンプ
https://store.line.me/stickershop/author/17801/ja
・スマホゲームアプリ「君の目的はボクを殺すこと。」
iOS版:https://itunes.apple.com/jp/app/id1031838318
Android版:https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.co.kitasako.kimiboku2
■JellyFishDesignOfficeさん
ゲスくまシリーズなど、かわいいキャラの毒のあるセリフのギャップが評判のスタンプが多い。使用ソフトはAdobe Illustrator。シリーズで作るキャラクターのパーツを保存し、制作期間を短縮している
・JellyFishDesignOfficeさんのスタンプ
https://store.line.me/stickershop/author/2814/ja
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