ドコモのVoLTE対応Androidスマホを、音声通話対応の格安SIMで使おうと思っています。この場合、SIMロックを解除しないとVoLTEで通話できないのでしょうか?
ドコモ回線を利用する格安SIMなら、SIMロックを解除しなくてもVoLTE通話OKですが、ビデオコールは使えません。au回線を利用する格安SIMは、SIMロックを解除すればVoLTE通話OKですが、いくつか注意点があります。
(ITmedia Mobile編集部 井上)
VoLTE(Voice Over LTE)は、本来はデータ通信に特化した通信規格であるLTEにおいて、音声通話を実現するための規格です。インターネット(IP)電話の仕組みを活用しており、W-CDMAやCDMA2000(いわゆる「3G」)を使った通話と比べて、主に以下のようなメリットがあります。
SIMロックフリースマートフォンでも、国内メーカーの製品を中心にVoLTE対応機種がちらほら出てきました。しかし、ハイスペックなVoLTE対応スマホが欲しいとなると、大手キャリアの機種が最良の選択肢であることも事実です。今回の質問者も、ハイスペックなVoLTE対応スマホを使いたいがために、NTTドコモ(大手キャリア)のAndroidスマホを購入しようとしているものかもしれません。
結論から言うと、ドコモ回線を利用するMVNOサービス(格安SIM)であればSIMロックを解除することなくVoLTE通話が可能ですが、ビデオコールは使えません。また、au(KDDIと沖縄セルラー電話)回線を利用するMVNOサービスでは、SIMロックを解除すればVoLTE通話ができるものの、いくつか注意点があります。
実際の検証結果を交えながら、詳しく見ていきましょう。
NTTドコモの場合、自社の契約者に貸与するSIMカード(ドコモUIMカード)と、MVNOに貸与するSIMカードには記録内容面での差はありません。そのため、MVNOサービスのSIMカードをドコモ純正端末で使う場合にSIMロックを解除する必要はありません。
通話機能についても同様で、VoLTE対応機種であればVoLTEを利用した音声通話が可能です。以下の条件を全て満たせば、高音質(HD/HD+)通話も利用できます。
ただし、MVNOサービスの回線では、ドコモのVoLTEの付加機能である「ビデオコール」を利用できません。有効化しようとしても、切り替えに失敗した旨のメッセージが出てしまいます。ビデオコールを使うつもりの人は注意しましょう。
au回線を使うMVNOサービスでは、SIMロックを解除したドコモのVoLTE対応AndroidスマホにVoLTE対応SIMカードを挿せばVoLTEを使った音声通話ができます。以下の条件を満たせば、高音質(HD)通話も可能です。
ただし、ビデオコールはドコモ独自機能であるため使えません。また、ドコモでは2014-2015冬春モデル以前モデルにおいて、au回線が使えない旨を公式に表明しています。使うなら、2014-2015年冬春モデル以降の機種のSIMロックを解除して使いましょう。
もっといえば、VoLTE非対応のSIMカード(黒色の「au IC Card」)を使うと音声通話ができません。「VoLTE非対応」なのですから、当たり前といえば当たり前ですが……。気を付けましょう。
「SIMロックを解除した大手キャリアのVoLTEスマホにおけるVoLTE通話」に関する質問は、他にも寄せられています。今後の「格安SIM Q&A」で取り上げる予定ですので、ぜひご期待ください!
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