海外渡航が多い人にオススメの“買い切り型”モバイルルーター山根康宏の海外モバイル探訪記

» 2017年02月06日 15時54分 公開
[山根康宏ITmedia]

 2月に入り、そろそろ春休みの旅行の計画を練っている人も多いでしょう。今や格安なLCCが増えたおかげで、国内を移動するよりもアジア各国へ飛んだ方が安い、なんて時代を迎えています。それに合わせてドコモなど各社は国際ローミング料金を値下げ、ライトユースなら1日1000円以下で自分のスマートフォンを海外でも通ことが可能になりました。

 ところがMVNOは、海外でのデータローミングを提供していないところが大半なので、その場合、自分のスマホをそのまま海外で使うことができません。その代わり、空港などでレンタルしている海外用のモバイルルーターを借りれば、スマートフォンとWi-Fi接続して海外で使うことが可能になります。

 でもレンタルルーターも空港で借りる時間を作らなくてはなりませんし、海外での紛失も怖いもの。また1日あたりのデータ量制限があるものも多く、ちょっと動画を見ていたら通信できなくなった、なんてこともあります。そこでお勧めしたいのが、買い切り型のグローバル対応モバイルルーターです。最近、少しずつ製品が増えてきており、海外渡航が多い人が注目し始めています。2016年夏にも「NUU Mobile」が試作機を発表、筆者も試しに使ってみたことがあります。

モバイルWi-Fiルーター 少しずつ種類が増えてきたグローバルモバイルルーター。写真は「Konnect i1」

 レンタルルーターは通常は1カ国か欧州、アジアなど特定の地域向けで利用できます。一方、グローバルモバイルルーターは世界統一料金プランがあるものが多く、どこへ行っても使えるのが魅力。最近では飛行機の機内販売で売られているケースもあります。筆者がよく使うキャセイパシフィック航空の機内販売でも、新しい会社のグローバルルーターが販売されていました。それがこちらの「Smartgo pokefi」。利用可能国は約60カ国です。

モバイルWi-Fiルーター 世界中で利用できるモバイルルーター「Smartgo pokefi」

 本体価格は169ドルで5GBのデータ付き。有効期限は無期限だそうです。1GBあたりにするとルーター込みで33.8ドル、4000円程度。全世界対応のプリペイドデータSIMが1GBあたり1万円くらいすることを考えると、機器込みでこの値段は安いでしょう。追加料金は、

  • 15ドル/5日定額(750MB以降128kbps規制)
  • 15ドル/5GB/無期限
  • 6ドル/1日定額(750MB以降128kbps規制)
  • 6ドル/1GB/無期限

 ルーターのスペックはFDD-LTE 150Mbps、バッテリー3850mAh(モバイルバッテリー機能あり)、12時間連続利用可能、本体サイズ68(幅)×110(高さ)10(奥行き)mm、重量144g。同時接続可能デバイスは8台まで。

モバイルWi-Fiルーター コンパクトなサイズが特徴。モバイルバッテリーとしても使える

 グローバルルーターの先駆者ともいえる存在は、2015年に登場した「Skyroam」でしょう。オレンジ色のボディーが目立つモバイルルーターで、利用料金は1日10ドル定額。世界約60カ国に対応と、発売時はリーズナブルな価格が大きな話題を呼びました。現在も販売されていますが、通信速度が3Gまでなのが今となってはちょっと物足りないところ。とはいえ、海外のスマートフォン販売通販業者などでは3日データ込で1万円程度で売っているなど、小旅行や現地でプリペイドSIMを買うまでのつなぎとしてなら悪くないかもしれません。

モバイルWi-Fiルーター 世界中で使えるモバイルルーターの先駆けといえる「Skyroam」

 しかし翌年、2016年に出てきた「GlocalMe」が、Skyroamの息の根を止めてしまったかもしれません。Glocal Meは4G対応、利用可能国は100カ国以上、そして国別や地域別など多彩な料金を提供。本体は6000mAhのバッテリーを内蔵していて、長時間利用はもちろんのこと、モバイルバッテリーとしても十分使えるスペックです。日本でも発売になりましたし、「GLOCAL NET」の名称で日本の企業が国内展開も行っています。

モバイルWi-Fiルーター 4G対応のグローバルルーター「GlocalMe」

 このGlocalMeに早くも後継モデルが登場しました。初代モデルはタッチディスプレイを搭載した小型のスマートフォンライクなデザインでしたが、後継モデルの「GlocalMe U2」は細長いスタイリッシュなデザインに変更。各種操作はアプリから全て行えます。

モバイルWi-Fiルーター スタイリッシュになった「GlocalMe U2」

 モバイルルーターも今後デザインが重視される製品になるのかもしれません。ちなみにこちらはLenovoが中国で販売している「ThinkLife PB110」。ルーターのようで、これにSIMを入れてスマートフォンとBluetooth接続すると、スマートフォンアプリからこのPB110に入ったSIMを使って通話できるという、外付けの通話専用携帯電話のようなもの。このデザインのルーターを出してくれたら、一部のマニアは喜ぶかもしれません。

モバイルWi-Fiルーター ThinkPadのルーターと思いきや、2枚目のSIMを入れて使う通話デバイス

 海外旅行にはスマートフォンがなくてはならない時代になりました。自分のSIMがMVNOの場合は、これらのグローバルモバイルルーターを買っておくことをお勧めします。1回の海外旅行でも十分元が取れるだけに、友人とシェアして使うのもいいかもしれませんね。

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