MVNOが提供している「格安SIM」を選ぶうえで、料金はもちろんだが、「通信速度」も重要な決め手になる。料金は各社のWebサイトやカタログに表示されていて比較しやすいが、通信速度は各社一律「下り最大150Mbps」「下り最大225Mbps」などと表記されており、実際のところどれだけの速度が出るのかが分からない。
そこで、本企画では各社が提供している格安SIMの“実効速度”を毎月調査し、その結果を横並びで紹介している。今回は3月にテストした、au系MVNOとY!mobileの速度をお伝えする。本企画がMVNOサービスを選択する際の一助になると幸いだ。
3月のドコモ&Y!mobile回線編は、以下の記事をご参照いただきたい。
なお、4月には平日昼と夕方に、YouTube動画の再生テストも行っているので、こちらも参考にしてほしい。
今回、テストを行ったのは以下の4サービス。
auのLTE NETはMVNOではなく、auのスマートフォンで利用するインターネット接続サービス。いわば“本家”の通信速度となる。
調査条件は以下の通り。
今回は諸般の事情により、これまで使ってきたZenFone 3ではなく、au版「Galaxy S7 edge SCV33」を使っている。Y!mobileはZenFone 3で測定したため、3月はドコモ回線の記事にまとめた。通信測定のエラー、明らかにありえない速度(理論値超え)が表示された場合は再測定とした。各サービスの測定開時刻は、テスト結果の表を確認してほしい。記事で明記している速度結果は特記がないものを除き、3回の平均値。
本企画で紹介する通信速度は、時間帯や場所によって大きく変化するので、記事で紹介されている数値を100%うのみにせず、あくまで参考値としてご覧いただきたい。
まずは3月30日9時〜の測定結果をお伝えする。比較的混雑していない午前中ということもあり、どのサービスも下り10Mbpsを超えた。
下りで注目したいのは40.79Mbpsの「UQ mobile」で、「LTE NET」の23.61Mbpsを超える速度をたたき出した。「IIJmio(タイプA)」も、LTE NETに迫る23.61Mbpsだ。「mineo(Aプラン)」も13.84Mbpsとまずまずの結果。どのサービスも、これだけ出ていれば、SNSやブラウジングはもちろん、動画視聴も快適に行えそうだ。
上りは11.47MbpsのLTE NETが最速で、以降は8.38MbpsのUQ mobile、6.93MbpsのIIJmio(タイプA)、4.72Mbpsのmineo(Aプラン)が続く。
計測開始時刻 | 下り平均(Mbps) | 上り平均(Mbps) | |
---|---|---|---|
mineo(Aプラン) | 9:07 | 13.84 | 4.72 |
UQ mobile | 9:15 | 40.79 | 8.38 |
IIJmio(タイプA) | 9:22 | 23.1 | 6.93 |
au(LTE NET) | 9:00 | 23.61 | 11.47 |
30日のランチタイムは、他の月と同様、サービスによって大きな差が出た。mineo(Aプラン)は下りが0.38Mbpsと大苦戦。IIJmio(タイプA)も1.46Mbpsとこの中では低調だが、同じ時間帯に計測したドコモ回線のMVMOは大半が0〜1Mbps台だったので、同様に苦戦したという形だ。
そんなランチタイムの混雑状況をものともせず、UQ mobileは貫禄の(?)下り20.79Mbps。午前に続き、LTE NET(15.74Mbps)を超える速度を出した。UQ mobileはYouTubeの動画再生テストでも、昼でもスムーズに再生できたので、数字だけ高いのではなく、実際の利用も快適といえる。
上り速度は4サービスとも2〜4Mbps台でまとまった。
計測開始時刻 | 下り平均(Mbps) | 上り平均(Mbps) | |
---|---|---|---|
mineo(Aプラン) | 12:17 | 0.38 | 4.39 |
UQ mobile | 12:23 | 20.79 | 3.58 |
IIJmio(タイプA) | 12:34 | 1.46 | 3.97 |
au(LTE NET) | 12:10 | 15.74 | 2.87 |
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