インタビュー
» 2017年10月16日 06時00分 公開

薄利のMVNO事業で、なぜ「エックスモバイル」は生き残れたのかMVNOに聞く(2/3 ページ)

[石野純也,ITmedia]

MVNEを再度変更 これで最後にしたい

―― 現状、契約者の数はどの程度まで増えたのでしょうか。

木野氏 今は、万の単位の下の方で、あと1万5000回線ほどあれば、通信だけで黒字で回る計算です。12カ月連続で純増数は毎月ちょっとずつ増えていて、店舗の稼働も上がっています。店舗自体が増えているので当然ではありますが、月間で3000ぐらいの純増数まで持っていければいいと考えています。解約率は意外に低く、年間で2%弱です。これもネットで買うのではなく、フェーストゥフェースで地域の信頼関係がある方から買っていることが大きいですね。ちなみに、10月からはMVNEも変更しました。

―― またですか(笑)。前も変えていましたよね。

木野氏 今回は最後にしようと思っています。

―― ちなみに、どちらにしたのでしょうか。

木野氏 APNは「vmobile」といえば、分かるでしょうか(IIJのこと)。そこそこの回線数になってきたときにご提案いただき、価格、品質、システムの面で非常に魅力的だったので契約しました。新規で契約いただくお客さまに関しては全てそちらの回線になりますし、既存の回線も交換していく予定です。

―― 交換となると、なかなか大変ですよね。APNも変わってしまいますし、サポートも必要になりそうです。

木野氏 大変ですね。ただ、変えると品質もよくなりますし、ご迷惑が掛かるのは変えるとき1回だけです。そのままにした方がもうかることは確かですが、品質は命なので、そこは変えることにしました。

信用している人から契約したい

―― 現状の料金プランがどうなっているのか、あらためて解説してください。

木野氏 昨年(2016年)4月に変えてからは、変わっていません。基本料金が980円(税別、以下同)で、オプションを足していける方式になっています。ただし、ギガ放題の容量は、もともと25GBだったところをMVNEの変更に伴い、30GBに増量しています。

エックスモバイル エックスモバイルの料金

―― 契約されているプランは、どういったものが多いのでしょうか。

木野氏 3GBや5GBが多いですが、本当にバラバラで、ARPU(1利用者からの平均収入)は4500円ぐらいです。基本料金が980円、そこに「かけたい放題(フル)」(1800円)をつけて2780円、後は3GBのデータ通信(1200円)で大体4000円になります。

―― MVNOで4000円を超えているのは、かなり高いですね。

木野氏 某社がうちを買収しようとしに来たときにこの話をしたら、かなり驚いていました(笑)。

―― やはりARPUを押し上げているのは、かけたい放題でしょうか。

木野氏 はい。付帯率は90%程度です。強制ではないので入らない人ももちろんいますが、皆さん入りますね。

―― 料金プランを他社と比べると、やや割高な印象もありますが、そこも収益にはプラスに働いているのでしょうか。

木野氏 そうですね。最安ではありません。ただ、お客さまも数百円の差はあまり気にしていません。それよりも、もともと1万円だった料金が5000円以下になることの方が大きいですから。そこから、さらに100円、200円下げようという人は皆無です。それよりも、信用している人から契約したいという人の方が多いのではないでしょうか。

―― 地方ではテレビCMも流しているとうかがいました。

木野氏 基本的には、お店のあるエリアで流しています。

―― 全国区でやっているわけではないんですね。

木野氏 そうですね。実はCMを流してもあまり効果はなく、流しているという事実が必要なだけなので、全国展開しても割に合いません。そこにお金を使うのであれば、他にやるべきことがある。品質やオペレーションの強化が一通り終わった段階で、次が面展開。その次が送客で、これらをじわじわとやっていくつもりです。

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