それは、手のひらに収まる“未来” 先進性と合理的な操作性が融合した「iPhone X」先行レビュー(1/3 ページ)

» 2017年11月01日 09時00分 公開
[石野純也ITmedia]

 「スマートフォンの未来」と呼ばれる「iPhone X」が、11月3日に発売される。未来と銘打つだけに、目いっぱい広がった縦長のディスプレイや、機械学習を採用した「Face ID」など、これまでのiPhoneにはなかった要素が数多く採用されており、発表時には大きな話題を呼んだ。予約開始日の10月27日には当日受け取り分の予約が瞬時になくなるほどで、あらためてiPhone人気の高さを見せつけた格好だ。筆者は、この“未来”を一足先に体験することができた。ここでは、その印象や使い勝手、性能などのファーストインプレッションをお届けしたい。

iPhone X
iPhone X 「スマートフォンの未来」と銘打たれたiPhone X
iPhone X iPhone Xのパッケージ

まるで映像が浮かび上がっているような没入感

 iPhone Xを起動してまず目がいったのは、その高い没入感だ。上下左右いっぱいまでほぼディスプレイになったことで、ハードウェアの中に映像が映っているというより、映像そのものが浮かび上がっているように見える。さすがにフレームレスではないが、前面のカラーはブラックで統一されているため、暗い場所だと目立ちにくく、映像への没入感はさらに高まる。

 iPhone Xには、iPhoneとして初の有機ELが採用されている。もちろん、単に有機ELを搭載しただけでなく、ディスプレイのチューニングはApple基準を満たすものだ。実際に見た印象は、有機ELにありがちなギラついた色の濃さはなく、液晶モデルのiPhoneに近い。

 ただし、100万対1といわれるコントラスト比の高さは健在。映像を再生してみると分かるが、色の濃淡がくっきり出ており、黒が締まって見える。もちろん、iPhone 8/8 Plusに搭載されたTrue Toneにも対応する。これによって、環境光に応じて最適な色味にディスプレイが変わり、自然な色合いを楽しめる。

iPhone X 黒がクッキリ締まって見え、映像の美しさは目を見張る

 側面には光沢感のあるステンレス素材が採用されている。アルミを採用したiPhone 8/8 Plusとは異なり、より光沢が強調されている格好だ。より先進感を打ち出したいiPhone Xにはふさわしい素材で、高級感もある。質感としては、Apple Watchのステンレス版に近い。グレードごとに端末の素材をアルミとステンレスで使い分ける手法は、Apple Watchを踏襲しているといえるだろう。

iPhone X 側面のフレームにはステンレスを採用。シルバーは光沢感がある仕上げだ。スペースグレーは、本体背面と色を合わせてある
iPhone X 右側面に電源キーとSIMスロットがある
iPhone X 左側面にボリュームキーとマナースイッチがある
iPhone X 上部
iPhone X 下部にスピーカーとLightning端子がある。イヤフォンジャックはない

 持ったときの感覚は4.7型のiPhone 8と、5.5型のiPhone 8 Plusの中間ぐらいといった感覚で、どちらかというとiPhone 8に近い。それもそのはずで、iPhone Xの横幅は70.9mm。iPhone 8が67.3mm、iPhone 8 Plusが78.1mmのため、数値の上でもiPhone 8よりやや大きいことになる。ただし、縦にディスプレイが長い分、映像を見たときの迫力はiPhone 8 Plus寄りだ。縦長のディスプレイを搭載することで、2つのサイズに分かれたiPhoneのいいところ取りをしたようにも感じる。

iPhone X 5.8型と聞くと大きいと感じるかもしれないが、サイズ感はどちらかといえば4.7型サイズのiPhoneに近く、手にしっかりフィットする

 普段からPlusがつく5.5型のiPhoneは大きすぎると感じていた筆者も、iPhone Xは、手にしっかりなじむように感じた。片手での操作も普通にでき、画面の端までしっかり指が届く。ホームボタンがなくなった分、より広い領域を表示に使えるようになったからだ。筆者は比較的手が大きい男性だが、女性でも、手の大きな人であれば操作しやすいだろう。

iPhone X 左からiPhone X、iPhone 8、iPhone 8 Plus
iPhone X 背面の素材は3機種ともガラス

合理性が考え抜かれた、ホームボタンレスのUI

 ホームボタンがなくなったことで、これまでのiPhoneとは操作の“作法”も変わった。ただし、それは使いづらさとイコールではない。むしろ、少し使っただけで、Phone Xのユーザーインタフェース(UI)の方が、操作しやすいと感じるようになったほどだ。

 例えば、ホーム画面に戻るには、これまでだと指をいったん画面から離し、ホームボタンに置き換えてから押すという動作が必要だった。これがiPhone Xでは、画面下から上にスワイプするだけでよくなる。指の動きが少なく、サッと操作できるうえに、スルッと画面が小さくなっていくエフェクトも小気味よい。指の動きを途中で止めると、Appスイッチャーが表示される。これも、ホームボタンのダブルクリックよりスムーズだ。

iPhone XiPhone X アプリ起動中に画面下を上方向にフリックすると、ホーム画面に戻れる。文字で読むよりも、実際に操作してみると簡単で、すぐに慣れるはずだ
iPhone X 上方向へのフリックを画面の途中で止めると、Appスイッチャーが表示される

 ホーム画面へ戻る操作が下からのスワイプになったことで、もともとこの動作に割り当てられていたコントロールセンターが右上から下へのスワイプに変わった。これは、“切り欠き”となっているTrue Depthカメラ部分をうまく生かしたUIだ。この部分には通常、バッテリー残量やアンテナピクト、Wi-Fiマークが表示されているため、コントロールセンターが出てくるのも合理的といえるだろう。逆に、左上から下にスワイプすると、従来通り、通知が表示される。

iPhone XiPhone X コントロールセンターは、画面右上から引き出す操作に変わった
iPhone XiPhone X 右上以外の場所から画面を下にスワイプすると、通知が表示される

 ただ、以前に比べて指が届きづらい分、コントロールセンターは出しづらくなったことも確かだ。一方で、コントロールセンターは、毎回呼び出す画面でもない。むしろ、利用頻度の高いホーム画面に戻るのに下から上へのスワイプが割り当てられている方がいい。

 前面が全てディスプレイになったとき、どのようなUIにしたらiPhoneらしく、かつ自然に操作できるのか――iPhone Xの新しいUIは、こうした点について、熟慮に熟慮を重ねた結果生まれたものだと感じた。論より証拠ということで、操作感は11月3日以降、ぜひ実際に店頭などで触ってみることをオススメしたい。実機を触らずに「使いづらそう」と断言するのは、早計であることが分かるはずだ。

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