ソフトバンクがLINEモバイルに51%出資して合弁会社に――MVNOをKDDIとソフトバンクが買いあさる時代が来るか石川温のスマホ業界新聞

» 2018年02月09日 10時00分 公開
[石川温]
「石川温のスマホ業界新聞」

 KDDI社長交代劇の裏で発表され、これまた驚かされたのが、LINEモバイルとソフトバンクの戦略的提携の発表だ。

 LINEモバイルが第三者割当増資を行い、ソフトバンクが51%、LINEが49%という出資比率になるという。

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この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2018年2月3日に配信されたものです。メールマガジン購読(月額540円・税込)の申し込みはこちらから。


 LINEモバイルは、登場前こそ、他のMVNOが戦々恐々として構えていたが、実際にサービスが開始されると「大したことはなかった」(MVNO関係者)という反響がほとんどだ。まさに「大山鳴動して鼠一匹」でしかなかった。

 そもそも、「LINEは無料」と思っているユーザーが多い中で「LINEの通信料金が無料」といっても、ピンとこない人も多いのではないか。やはり、BIGLOBEのように「YouTubeの視聴にギガを消費しない」と言われれば興味を引くだろうが、そもそもLINEにギガを消費しているという意識が希薄なだけにLINEモバイルの売りがどこまで消費者に伝わっていたかは微妙なところだ。

 もうひとつ、LINEモバイルは「販路が乏しい」というのが最大の弱点に思う。

 「スマホはLINEをメインに使う」というユーザーを取り込むにはネット販売と家電量販店だけでは限界があるのではないか。楽天モバイルのようにリアル店舗を全国に展開していく覚悟がないと、契約者は伸びない。

 LINEとしては、自社でそこまでモバイル事業に注力する気はなかったということだろう。

 その点において、ソフトバンクと組んだのは良かったのではないか。将来的には、ワイモバイルショップあたりで、本格的にソフトバンクのSIMカード版LINEモバイルの取り扱いが始まったら、面白いことになりそうだ。全国を網羅していることもあり、「LINEを使いたいけど、料金が上がるのは困る。ならば、最寄りのワイモバイルショップでLINEモバイルを契約する」という初心者層を一気に取り込めることだろう。

 ただ、これまでNTTドコモの回線を売ってきたBIGLOBEがKDDIに、LINEモバイルがソフトバンクになってしまった。今後も経営的にたちいかなくなったMVNOをMNOが手中に収めていく流れが加速していきそうだ。

 NTTドコモの回線を使うMVNOが次々にKDDIやソフトバンクに買収や資本提携されると、NTTドコモしても、回線とユーザーをまるごと他社に買われることになり、心中穏やかではないのだろう。

 NTTドコモはこれまで「サブブランドは作らない」と明言し、MVNOに対して平等な条件で取り扱いをしてきた。しかし、このような動きがさらに増えてくるようになると、KDDIやソフトバンクに買収されないようにNTTドコモ自身がMVNOに出資して救済するといった対策が必要になってきそうだ。

© DWANGO Co., Ltd.

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