5Gが創出する新ビジネス

ソフトバンクと大成建設、可搬型5G設備を活用した建設機械との連携を実証

» 2019年06月05日 16時31分 公開

 ソフトバンクと大成建設は6月5日、可搬型5G基地局「おでかけ5G」を用い、大成建設が開発している遠隔操作・自動制御が可能な建設機械システム「T-iROBOシリーズ」の稼働に成功したと発表した。施工時に遠隔地からでも建設現場の状況をリアルタイムに確認し、建設機械の制御や安全監視などが可能となる。

 従来の無線通信システムでは必要な通信速度・容量の不足、Wi-Fiのカバーエリアは周囲の見通しが良い場合で半径約50〜100mと限られた範囲にとどまり、多くのアンテナを設置する必要があるといった課題を抱えていた。今回の実証実験では可搬型5G基地局「おでかけ5G」を利用し、基地局から直線距離100〜200mでの建設機械の稼働と映像の伝送を実現。より大容量の映像と制御データをスムーズに処理し、4Gに比べて映像の遅延時間が約10分の1以下と大幅な短縮を確認した。

 三重県東員町の実験場では「おでかけ5G」の可搬型5G基地局1基を設け、局地的な5G環境を構築。自動制御式「バックホウ(土砂掘削/積上)」と「クローラーダンプ(運搬/排土)」に「おでかけ5G」の送受信装置を搭載し、実験場の現場操作室と大成建設技術センター(横浜市戸塚区)を有線ネットワーク(VPN)で接続した。

 その結果、現場操作室と大成建設技術センターそれぞれから建設機械の自動運転操作、建設機械に搭載したカメラ映像の伝送状況を確認でき、建設現場での土砂の掘削、積上、運搬、排土までの一連作業を精細映像で状況を把握できる。建設機械間の制御と同時に安全性も高めた現場作業の実施に成功した。

 両社は5Gが商用化される2020年以降に向け、施工現場での円滑な運用を目指すとともに、作業の効率化と通信の安定性を高めた建設機械自動化の実現に向けた実証実験を進めていく。

Photo 実証実験の概要図

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