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» 2019年12月27日 15時48分 公開

名言で振り返る、2019年のモバイル業界 「楽天」から「5G」「分離プラン」まで (1/3)

2019年は分離プラン、楽天のMNO参入、電気通信事業法の改正、5Gプレサービスの開始、米中貿易摩擦の影響、中国メーカーの台頭……など、例年にも増して、話題が豊富な1年でした。そんな目まぐるしく移り変わった2019年のモバイル業界。ただ振り返るだけでは面白くない、というわけで、今回はキーパーソンの「発言」に着目しました。

[田中聡,ITmedia]

 2019年も、残すところあとわずか。今年は分離プラン、楽天のMNO参入、電気通信事業法の改正、5Gプレサービスの開始、米中貿易摩擦の影響、中国メーカーの台頭……など、例年にも増して、話題が豊富な1年でした。そんな目まぐるしく移り変わった2019年のモバイル業界。ただ振り返るだけでは面白くない……というわけで、今回はキーパーソンの「発言」に着目しました。

 われわれメディア陣が情報に触れる主な手段は「プレスリリース」「発表会」「個別の取材」です。プレスリリースには必要最低限の情報が含まれていますが、「このサービスを始める意図は何なのか?」「なぜ、このタイミングで参入してきたのか?」といった裏側までは分からないことが大半です。そうした疑問を補完するために、発表会や個別取材などで“中の人”の言葉に耳を傾けます。

 特に注目しているのが社長をはじめとするトップや事業責任者が登壇する、発表会や会見です。トップや責任者は発表内容をふかんして語れますし、質疑応答で思わぬコメントを引き出せることもあります。時にメディアが喜びそうな、それこそタイトルに使えそうな“名言”も生まれます。その発言の背景や意図を読み解くのも面白く、製品やサービスの理解が深まります。2019年も多数の発表会やキーパーソンを取材させてもらいましたが、話題が豊富だったこともあり、名言も多かったと感じています。

 そんな名言とともに、2019年の主なトピックを振り返っていきたいと思います。

楽天モバイル関連

「MVNOは奴隷みたいなもの」(楽天 三木谷浩史社長)

 2019年2月に実施した、コアネットワーク(4G/5G)の試験設備「楽天イノベーションラボ」の内覧会での発言。「奴隷」というワードが何とも衝撃的でした。発言の全体は以下の通りです。

 「料金やスピード、楽天のエコシステムに加えて、子どもに対する制限など、さまざまなネットワークサービスを柔軟に提供できるパッケージングが強み。MVNOも実際はリセラー。土管の形が決められていて、それしか使えないのは奴隷みたいなもの」

 つまりMVNOよりもMNOになった方が、柔軟なサービス設計ができることを言いたかったわけです。しかしその柔軟なサービスの全体像が、2019年に発表されることはかないませんでした(2019年12月27日時点)。

「携帯業界のアポロ計画」(楽天 三木谷浩史社長)

 楽天の三木谷浩史社長が「MWC19 Barcelona」の基調講演「The Next Generation」で発した言葉です。アポロ計画とは、NASA(アメリカ航空宇宙局)が立てた、人類を初めて宇宙へ送り出す計画のこと。つまり、楽天モバイルが、携帯業界で誰も成し遂げなかったことをやろうとしていることを示した言葉です。具体的には、ネットワークを仮想化してクラウドで運用すること。ネットワークの仮想化は2019年、幾度となく語られるテーマになりました。

楽天三木谷浩史社長 MWC19 Barcelonaの基調講演で熱弁を振るう、楽天の三木谷氏

「ホップ・ステップ・ジャンプでやっていこうと思う」(楽天 三木谷浩史社長)

 2019年10月のサービスインを目指していたMNOの楽天モバイル。基地局の建設が遅れていたことで総務省から指導もあり、「本当に10月に間に合うのか?」と疑問視されていました。そんな中、8月の決算会見で、突如として三木谷氏から「ホップ・ステップ・ジャンプ」というフレーズが飛び出しました。つまりMNOサービスは3段階で展開し、10月時点ではホップ=スモールスタートになることを示唆しました。当初の強気な姿勢がトーンダウンしたと感じたのは、私だけでしょうか。

「半年遅れるわけではない」(楽天 三木谷浩史社長)

 10月のサービスインから1カ月を切った9月6日。楽天モバイルがMNOサービスの発表会を開催するということで、多くのメディアが大挙して押しかけました。しかし蓋を開けてみると、発表されたのは、試験サービス的な位置付けである「無料サポータープログラム」でした。具体的な料金プランやサービスは発表されず、会場には落胆ムードが漂いました。

 この発表会では名言らしい名言は出なかったと思いますが、それでも印象に残ったのが、三木谷氏の「半年遅れるわけではない」という発言です。

 無料サポータープログラムは、2020年3月31日の終了を予定しており、2020年4月に本サービスが始まった場合、実質的にはサービスインが半年遅れたことになります。しかし、ネットワークの安定稼働が確認されたら、前倒しで終了する可能性もあることから、半年遅れではないというわけです。間もなく無料サポータープログラム開始から3カ月がたとうとしていますが、ネットワークの安定稼働は確認できたのでしょうか。

楽天三木谷浩史社長 無料サポータープログラムについて説明する三木谷氏
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