さて、最後は今やベーシックなスマホカメラにも欠かせなくなった背景ぼかしとナイトモードである。
背景ぼかしのポートレート機能となると、Pixel 4aの賢さが際立つ。ポートレートモード時はPixel 4aは2xの望遠(つまりデジタルズームがかかる)になる。iPhone SE(第2世代)はそのまま。
でもそれじゃあ比較しづらいので、別の場所でiPhone SE(第2世代)の方は撮影時に一歩近づくことで写り方をある程度そろえてみた。
こっちはホワイトバランスが両者で違っていて興味深い。Pixel 4aの方がきっちり合わせにきていて、iPhone SE(第2世代)は夕刻っぽさを残している。どっちが好き?
拡大して見ると、Pixel 4aはちょっとデジタルズーム感が出ちゃっているのは残念ではある。両者の大きな違いは、iPhone SE(第2世代)は相変わらず「人物と認識しないと背景をぼかしてくれない」のに対し、Pixel 4aはどんな被写体でもOKなこと。これは大変ありがたいのである。
最後は夜。
これはもうPixelの定評ある夜景モードに対して、iPhone 11などで採用されているナイトモードがないiPhone SE(第2世代)では比べる前から想像つくところだ。
夜景モードは細かく設定を変えながら複数枚撮影して合成することで、夜景ならではの大きな明暗差や、通常の撮影では対応しづらいめちゃ暗い場所のほんのわずかな光を画像にしてくれる。
だから、めっちゃ暗い場所で撮ると夜景モードの有無の差が出やすい。夜、歩いていていきなり出くわすとびっくりするレベルの真っ暗な中にそびえる給水塔も、Pixel 4aの夜景モードにかかればはっきり見えちゃうのだ。
普通のカメラの感覚ではiPhone SE(第2世代)が普通なのだけど、イマドキのスマホカメラはとっくに普通ではなくなっているのだ。
カメラユニットってコストがかかる。だからミドルクラスのスマホカメラはハイエンドクラスに対してカメラにかけるコストを抑える必要がある。そのとき、カメラの数を維持したままそれぞれの性能を下げるか、メインカメラの性能は維持したままそれ以外のカメラを省いてコストを下げるかが迫られるわけで、GoogleやAppleは後者を選んだって点は注目したい。
おかげでどっちもミドルクラスとしては高画質で上位機種に負けないカメラ性能……なんだけど、iPhone SE(第2世代)はナイトモードを搭載してほしかったなあ、そこでけっこう差がついちゃうなぁと思った次第である。
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