ahamo対抗で料金プランを改定したy.u mobile 強みは「U-NEXT」にありMVNOに聞く(3/3 ページ)

» 2021年02月19日 11時41分 公開
[石野純也ITmedia]
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iPhoneの中古品を取り扱う予定

―― 現状、端末のセット販売がありませんが、こちらはどうされていくのでしょうか。

鹿瀬島氏 端末を扱っていないのは弱点だという認識で、iPhoneの中古を扱おうと思っています。私どもの調査にはなりますが、中古端末を買いたくないと思っている一番の理由が電池です。そこを、ある業者と組んで、電池を完全に交換してから提供しようと考えています。今提供している修理費用保険は修理が対象になるため、電池の交換は対象外ですが、これなら電池をリフレッシュできます。

―― iPhoneだけですか。

鹿瀬島氏 いったんはiPhoneで考えています。中古のAndroidはやはり難しいからです。iPhoneの流通量が少ないので集めるのに苦労していますが……。

―― Androidであれば、中古ではなく、新品の安い端末を扱う手もあると思いますが、いかがですか。

鹿瀬島氏 考えてはいますが、まずは中古のiPhoneを立ち上げていきたいと考えています。

5年間で40万という目標は変えていない

―― 先ほど弱点とおっしゃっていましたが、SIMフリー端末がここまで増えてきた中でも、やはりセット販売はあった方がいいということですか。

鹿瀬島氏 お客さまからの声で、取り扱っていたらぜひ一緒に購入したいという前向きな意見をいただいています。商売でやっているので多少の利益は出しますが、お客さまがお求めやすい価格で提供したい。電池交換まで含めて、バランスを見ていただけるとうれしいですね。キャッシュバックもやっているので、それも含めてご満足いただけるのではないかと思います。

―― キャッシュバックと言えば、y.u mobileはかなり大盤振る舞いしている印象があります。これは継続するのでしょうか。

鹿瀬島氏 キャッシュバックの考え方ですが、うちはかなり後発だったので、単なる特典としてだけでなく、広告宣伝的な側面がありました。3月の新料金プラン導入のタイミングから、本来あるべきサービスを拡充してお客さまの利便性を上げていきたい。そのため、今のキャッシュバックをもう少し調整させていただくか、別のキャンペーンを考えていきたいと思っています。(※取材後、3月1日12時〜5月31日12時に新規契約で1万円をキャッシュバックするキャンペーンを発表

―― 契約者数の目標はいかがですか。

鹿瀬島氏 5年間で40万という目標は変えていません。達成できるかというと、頑張らなければいけないのですが、達成できないことはないところまで来ています。シングルプランは現状で想定通り、シェアプランはもう少し頑張りが必要ですね。

取材を終えて:コンテンツを軸にした設計がユニーク

 ahamoやpovo、SoftBank on LINE(現LINEMO)といった大手キャリアのオンライン専用プランを受け、MVNO側も徐々に対抗策を打ち出し始めている。その中で、y.u mobileは比較的早期に対抗策をまとめ上げた格好だ。

 シングルプランは、MNOのサブブランドと金額は同程度だが、データ容量を多くして差別化を図っている。これに対し、シェアプランはU-NEXT込みでお得さを打ち出している。金額やデータ容量だけを単純比較するとMNOより高いが、U-NEXTユーザーにとってはリーズナブルな料金設定だ。コンテンツやサービスを軸に料金設定しているところには、“MVNOらしさ”を感じた。

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