ソフトバンクとウィルコム沖縄が共同で運営しているY!mobileブランドが、2月から5G通信サービスを開始しました。新しい「シンプル」プランに加えて、既存の「スマホベーシックプラン」の契約者も特に手続きをしなくても順次5Gに対応できます。
その対応端末の第1弾として、両社は「iPhone 12」と「iPhone 12 mini」を2月26日に発売しました。
このiPhone 12/12 miniですが、今までY!mobileが発売してきたiPhoneとは違う点があるのです。
まず、データ通信をするには「APN構成プロファイル」をダウンロードしてインストールする必要があります。これは、Y!mobileで未発売のiPhoneを使う場合、あるいはMVNOのSIMカードを使う場合と同じ対応です。ただし、プロファイルは“区別”されています。
さらに、通信キャリアの表示が「Y!mobile」ではなく「SoftBank」になります。これも、Y!mobileでは取り扱っていないiPhoneを使う場合と同様です。
従来のY!mobileが発売してきたiPhoneを振り返ると、Y!mobileにおける発売日までにiOSの更新、あるいはキャリア設定(キャリア固有の設定データ)の更新によってAPNの自動設定やキャリア表示にキッチリと対応してきました。3月19日現在、iPhone 12/12 miniにおいてそのような更新対応はなされていません。
当面の間は、使い始めの際に若干の手間が掛かることになります。
iPhone 12/12 miniでY!mobileのSIMカードを使う場合にAPN構成プロファイルが必要なことは、先述の通りサポートサイトで案内されている他、契約時に手渡されるガイド冊子にも明記されています。
ところが、サイトや冊子を“見ない”せいか、今までと同じようにSIMカードを入れ替えるだけで設定が済むと考えている人が少なくなく、SNS上では「機種変更(あるいはのりかえ)したらデータ接続ができなくなった」という声が散見されます。
APN構成プロファイルをダウンロードするには、先述の通りWi-Fi(無線LAN)通信など、何らかのインターネット通信を別途用意する必要があります。Y!mobileショップや量販店など、別のインターネット通信を整備してある店舗で購入した場合は、その通信を借りてどうにかなると思うのですが、データ通信手段がiPhoneしかない場合は困る恐れもあります。
Appleを含む他社が発売したiPhone 12/12 miniに関する取り扱いにも、従来とは異なる面があります。
従来のiPhoneなら、SIMロックさえ解除すれば手持ちのY!mobileのSIMカードをそのまま使えます。Y!mobileが発売する機種なら、SIMカードを入れるだけで通信可能になります。そうでない機種でも、APN構成プロファイルをインストールすれば通信できるようになります。ただし、先述の通りY!mobileで発売したものとプロファイルが異なります。
さらに、iPhone 12/12 mini(とiPhone 12 Proシリーズ)を使う場合、Y!mobileのiPhoneに付属しているSIMカードについては交換が必須となっています。キャリア表示がSoftBankとなることはY!mobileが販売するものと同様です。
SIMカードの交換が必要な理由は明らかとなっていませんが、ソフトバンクが進めようとしている「SIM(USIM)カードの種類の整理」と何らかの関係があるものと思われます。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.