歴代で最も買いやすい折りたたみスマホに 「Galaxy Z Fold3 5G/Z Flip3 5G」の狙い石野純也のMobile Eye(2/3 ページ)

» 2021年09月11日 06時00分 公開
[石野純也ITmedia]

「低価格」と「安心感向上」の2つでメインストリーム化を狙うサムスン

 メインストリーム化にあたり、サムスンが打った手は大きく分けて2つある。1つが価格だ。これまでのフォルダブルスマートフォンは、真新しい技術を使って歩留まりも悪かっただけに、販売台数が少なく、他のスマートフォンより群を抜いて高かった。2020年秋冬商戦にauから発売されたGalaxy Z Fold2 5Gは本体価格が25万9980円(税込み、以下同)。Galaxy Z Flip 5Gは18万5835円と、ハイエンドモデルの中でもトップクラスの高さだった。折り曲げられる未来感や驚きはあるが、なかなか手が届きづらい価格といえる。

 対するGalaxy Z Fold3 5G/Flip3 5Gは、グローバルで1799.99ドル(約19万7800円)と999.99ドル(約10万9900円)。特にGalaxy Z Flip3 5Gは1000ドルを切ったのが大きく、一般的なハイエンドモデルの価格に収まっている。メインカメラがデュアルカメラで、望遠に非対応など、フラグシップモデルと比べるとやや見劣りする部分はあるものの、Snapdragon 888を採用したハイエンドモデルとしては一般的な価格帯。他と比べて高いからという理由で、フォルダブルスマートフォンを敬遠する理由がなくなった。

Galaxy Z Fold3 5G グローバル版の価格は、2020年モデルを大きく下回った。特に1000ドルを切ったGalaxy Z Flip3 5Gは、価格面でも大きな注目を集めた

 現時点で日本版の価格はドコモしか発表していないため、au版の新旧価格差は算出できないが、2020年のau版に比べ、ドコモのGalaxy Z Fold3 5G/Flip 3 5Gはリーズナブルな価格設定になっている。ドコモ版の本体価格はGalaxy Z Fold3 5Gが23万7600円、Galaxy Z Flip3 5Gが14万8896円。グローバル版よりちょうど4万円ほど高くなっているが、2020年のau版よりも価格が下がっているのも事実だ。端末を返却で残債の3分の1を免除する「スマホおかえしプログラム」の案内がないが、ドコモ広報部によると、何らかの施策は「検討している」といい、ここからさらに価格や実質価格が下がる可能性もある。

Galaxy Z Fold3 5G ドコモオンラインショップでの価格。グローバル版よりは高いが、2020年モデルのau版より安く、購入しやすくなった

 もう1つは、端末の強度を上げるのと同時に、フォルダブルスマートフォンで初めて防水に対応したことだ。2020年までのGalaxy Zは、革新的な端末だった一方で、防水には非対応。ディスプレイそのものを折り曲げるという機構を採用していることもあり、強度にも不安があった。これに対し、サムスンはGalaxy Z Fold3 5G/Flip3 5Gの2機種に、従来モデルより硬い「Armor Aluminum」のフレームを採用。フォルダブルの要ともいえるディスプレイのガラスも強化しており、耐久性を向上させた。

Galaxy Z Fold3 5G ガラスやフレームの強度を上げ、フォルダブルスマートフォンの課題だった耐久性を向上させた

 折り曲げる必要上、どうしても本体に隙間ができてしまうため、フォルダブルスマートフォンでは難しいといわれていた防水にも対応。デザインこそ2020年のGalaxy Z Fold2 5G/Flip 5Gを踏襲してはいるものの、内部的には抜本的な改良を施していることが分かる。スマートフォンは、肌身離さず持ち運ぶものだけに、急な雨に降られることもある。キッチンなどの水場で利用することも多いだけに、ハイエンドモデルでは防水が必須になりつつある。一般のユーザーにとっては、フォルダブルだからという理由だけで諦める必要がなくなったのは、Galaxy Z Fold3 5G/Flip3 5Gをメインストリームに位置付けられた大きな理由といえる。

 Galaxy Z Fold3 5Gが、Galaxy Note最大の売りだったSペンを継承したのも、メインストリーム化の象徴といえる。先に述べた通り、Sペン対応はGalaxy S21 Ultra 5Gにも広がったが、より大きなディスプレイで手書きが可能になったという意味で、Galaxy Z Fold3 5GはGalaxy Note以上に紙の“ノート”を代替できる1台になった。モバイル事業の前CEO、DJコー(コ・ドンジン)氏は、日本で初代Galaxy Foldが発表された際に、将来的なSペンへの対応やGalaxy Noteとの統合を示唆していたが、ついにそのときが来たというわけだ。

Galaxy Z Fold3 5G Galaxy Z Fold3 5GはSペンにも対応し、Galaxy Noteの後継としても活躍する端末になった

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年07月21日 更新
  1. ダイソーで330円の「人感・明暗センサーLEDバーライト(Type-C)」が意外と便利 1人暮らしの帰宅時や非常灯に便利  (2026年07月18日)
  2. なぜ「060」携帯番号は18カ月あっても延期になったのか? それでも「慌てる必要はない」現状 (2026年07月20日)
  3. 専用充電器はもう不要? 中韓スマホから国内勢まで巻き込む「USB PPS」急速充電の新常識 (2026年07月14日)
  4. 「Pixel 11」は何が変わる? メモリ減少で100ドル前後の値上げも? 出そろったうわさを整理する (2026年07月19日)
  5. ショップとAIで差別化を図る「ドコモの銀行」――住信SBIネット銀行ユーザーからは戸惑いも (2026年07月19日)
  6. JR東日本「分かりにくい」新幹線券売機を改善へ なぜ、スマホではなく「駅での最短1分購入」を実現? (2026年07月04日)
  7. 携帯番号に「060」が採用されるワケ 「電話番号とは何か」を歴史とともに振り返る (2024年10月09日)
  8. iPhoneやApple Watch一斉値上げ 17無印は14万2800円に、17eは10万円超え 加速する中古スマホ特需 (2026年07月18日)
  9. ドコモの「arrows Alpha」、残価変更と割引終了で2年33円→5万9180円に (2026年07月21日)
  10. “特典終了”が続く「d払い」「dポイント」のお得さはどう変わるのか これからは「dカード」の利用が得策? (2026年07月17日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー