と、搭載カメラユニットについて語ってきたわけだけど、じゃあそれらを踏まえて2022年のカメラはどうなるのか。
広角カメラのセンサーがちょっとずつ大きくなってレンズ性能も上げて、っていう傾向が続くのは確かなんだけど、それ以外だと日常的に使えて誰もが恩恵に預かれるような進化が欲しいよね。
今までも多くの新機能が搭載されてきたけど、定着したのはオートHDRやナイトモード(夜景モード)といった誰もが望んでいたもの(あるいは多くの人が喜ぶもの)。ナイトモードは当初、独立したモードだったけど、今は自動的にナイトモードに切り替わるのが通常だ。
という視点で、現在でも足りないものは何かと考えると、マクロ(というか近距離撮影)と望遠だよなと思う。
多くのスマホの広角カメラは10センチくらいまでしかピントが合わないが(機種によります)、小物をもっと大きく撮りたいと思うシーンは多いわけで、超広角カメラを強化してマクロに使うって技は各社が追従してくると思う。ちゃんとしたマクロ専用カメラを持つよりは効率がいい。OPPO Find X3のように超広角カメラのセンサーを広角カメラと一緒にしてマクロモードでも使う、となると画質差も減ってよりよい。
望遠は……正直なところ、広角カメラの2xと4xの2つくらいあるといい感じだなあと思うけど、光学的に無理をするよりは、光学的には3倍くらいに抑えておいて、さっき書いたようにデジタルズームの性能を上げる方向がスマホらしいなと思う。
個人的にはレンズが6つくらい並ぶのも、うちはスマホじゃなくてカメラだ、と主張すべくカメラ部が巨大な製品(AQUOS R6を見て多くの人が思い出したパナソニックのDMC-CM1みたいな)があってもいいよな、とは思うけど、どこかのメーカーがやらないかな。
もう1つ、進化の余地が大きいと思うのが「ポートレートモード」。これ、名前が良くない。「ポートレート」ってもともと肖像画、転じて人物写真を差すのだけど、人物写真では背景をぼかして被写体を際立たせることが多いから、人物を検出して背景をぼかす機能に「ポートレート」と名付けたのだ。でも、この機能が有効なのは人物写真だけじゃない。いろんなシーンで使えるし、既に多くの人が人物以外でも使っている。
だからそろそろ名前を変えてほしいと思う。いっそ「bokeh」モードでいいじゃないか(日本語が英語になった例の1つ)と。で、ボケモード時も機械学習やら3Dセンサーやら視差やらを活用して人物以外の被写体もちゃんと認識して、料理でも花でも小物でも最適な、「AIボケ機能」みたいなの。
ざっと2021年のハイエンド機の新しい挑戦を振り返りつつ、それは2022年にはどうなるかと考えつつ見てきたけど、さてどうなるか、そろそろ2022年度の新製品が発表されはじめるので、予想だにしない、でも使ってみたくなる進化を見てみたいところである。
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