AQUOS wish、arrows Weともに、メーカーが独自に搭載する便利機能が豊富だ。しかし、両モデルの購入を検討している人は、シンプルな操作性を求めて、使いこなしに迷うような多くの機能は求めていないように思う。その上で、両モデルの独自機能の役立ち度を比べてみた。もちろん、あくまでも筆者の個人的な意見なので、参考程度に捉えてほしい。
AQUOS wishの独自機能で最も便利そうなのが「Payトリガー」。指紋センサーの長押しで決済アプリを起動できる機能で、au版モデルでは「au PAY」が初期設定されている。
初期設定時だけに使う機能だが「かんたんデータ移行」も便利だ。AQUOS wishに同梱の「クイックスイッチアダプター」を取り付けて、今まで使っていた端末とケーブル接続すると、スピーディーにデータを移せる機能。iPhoneから写真や電話帳のデータを移すこともできる。
他にも、WebやSNSなど縦に長い画面を閲覧する場合のタッチ操作を減らせる「スクロールオート」や、簡単にスクリーンショットが撮れる「Clip Now」といった機能もあるが、誰にでも役立つわけではなく、arrows Weに対する優位性になるとは感じられない。
arrows Weの独自機能の中では、「プライバシーモード」が気に入った。指定したアプリや通知などを非表示にできる、かつて富士通製のフィーチャーフォンで人気を博した機能で、指定したアプリや通知などを非表示にできる。また、ロック画面から素早く起動できる「FASTメモ」、決済アプリとポイントカードアプリを素早く起動できる「FASTウォレット」も簡単に使いこなせるので、多くの人に役立ちそうだ。
なお、どちらの機種にもシニア向けのホームアプリが用意されているが、arrows Weには「かんたん電話」アプリや「迷惑電話対策」機能などもあり、らくらくスマートフォンに近い使い勝手にすることも可能。また、子どもに使わせる場合に便利な「ジュニアモード」も備えている。
両モデルはスペックが近いこともあり、性能にはさほどの差は感じられなかった。しかし、使用感はかなり異なった。AQUOS wishは、スマホの操作に不慣れなシニアやライトユーザーをターゲットにしているわけではなく、ポジティブにシンプルさを重視する人に向けた端末という印象。ディスプレイやカメラの性能は、ミドレンジのAQUOS senseに劣るが、使用感はさほど変わらない。
arrows Weは、幅広いユーザーが使いやすいように設計された印象。初めて使う機能のガイドなどが分かりやすく、デジタルリテラシーが低めの人でも安心して使えそうだ。高齢の親や子どもに使わせるスマホとしても格好の選択肢になるだろう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.