スマートフォンの基本性能は年々向上し、今や1〜3万円台のエントリーモデルでも、普段使いに不便を感じない機能とスペックを備えている。そんな中、コスパを重視する人から注目を集めているのがシャープ製の「AQUOS wish」とFCNT製の「arrows We」だ。どちらもSoCにはSnapdragon 480を採用し、約5.7型の液晶ディスプレイを搭載するなどスペックは近く、価格も同等。両モデルにはどのような差分があり、それぞれがどんなユーザーに適しているのか? au(KDDI)からお借りした端末を使い比べてみた。
まずは、両モデルの主なスペックを比較しておこう。
両モデルの最も大きな差分はカメラ。AQUOS wishはシングルカメラだが、arrows Weはデュアルカメラを搭載している。バッテリー容量もarrows Weがわずかに上回る。AQUOS wishはどの販路のモデルでもeSIMに対応しており(arrows Weはソフトバンク版のみ)、薄さと軽さでも軍配が上がる。au版の一括価格はどちらも2万6180円(税込み、以下同)で同額だ。ちなみに、スマホトクするプログラムを適用した際の実質価格も2万2001円と共通している。
【訂正:2022年2月8日23時45分 初出時、「nanoSIMとeSIMを併用することはできない」と記載していましたが、誤りでした。おわびして訂正いたします。】
AQUOS wishは本体の素材として再生プラスチックを35%使用し、ややザラザラとしたマットな質感。指紋は付きにくいが、皮脂が付着しやすいのでケースを装着して使うべきだろう。スクエアなボディーは洗練された印象で、デザインは “価格以上” と評価できるように思う。
一方、arrows Weの背面パネルは光沢仕上げでツルツルとして手触り。エッジ部に丸みを持たせて、手になじみやすいデザイン。一般的な形状ではあるが、安定感はある。指紋や皮脂は付着しにくく、汚れてもサッと拭き取れる。ケースに入れずに、裸のままでも使えそうだ。
AQUOS wishは右側面に音量キー、アシストキー、電源キーを搭載し、さらに指紋センサーも備えている。arrows Weは電源キーと音量キーだけで、指紋センサーは背面に搭載している。AQUOS wishの指紋センサーはやや低い位置にあり、筆者は親指を当てづらいと感じた。アシストキーも絶対必要というものではないので、このクラスの端末のターゲットであるライトユーザー層にはarrows Weの方が扱いやすいだろう。
内蔵スピーカーは本体底面に搭載し、どちらもモノラル。音質は似たりよったりではあるが、arrows Weの方が音に厚みがあり、本体内で反響するためか、角が取れたような音質。AQUOS wishはややカシャカシャした音で、ボリュームを上げるほどに、そのノイズが気になった。
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