プロセッサはRedmi Note 10TがSnapdragon 480 5Gで、Redmi Note 11はSnapdragon 680だ。4シリーズ(400番台)はエントリー向け、6シリーズ(600番台)はミッドレンジ向けなので、Redmi Note 11の方が処理速度は速いと思われるかもしれない。しかし、実際に使い比べると、パフォーマンスにはほとんど差は感じられなかった。Snapdragon 480は5G向けでは下位のチップではあるが、4G向けの6シリーズの匹敵する性能を有していると言っていいだろう。「Geekbench 5」というアプリでベンチマークを測定してみたが、両モデルは近いスコアだった。
両モデルともにプリインされている基本アプリの操作でストレスを感じることはほとんどなかった。カメラの撮影モード切り替えに多少時間がかかると感じた程度だ。しかし、追加して使ったゲームでは、タッチレスポンスがやや鈍かったり、カクカクとした反応になることもあった。メモリが4GBと控えめなこともあり、使い方によってはパワーに不満を抱く可能性もありそうだ。
バッテリー容量は、どちらも5000mAh。多少ヘビーに使っても1日は余裕で持つ容量だ。実際、電池持ちはよく、約2週間の試用期間中に電池残量がピンチになることはなかった。
強いて両モデルの電池持ちを比べると、Redmi Note 10Tの方が電池の減りが若干速いように感じられた。5Gのアンテナを搭載していることやディスプレイの違いが主な要因と考えられる。
両モデルをフル充電してから、YouTubeのフルHD画質の映像をWi-Fi接続で再生して、電池持ちを比べてみた。2時間再生すると、Redmi Note 10Tの残量が82%になり、Redmi Note 11は87%残っていた。やはり、Note 11の方が電池は長く持つようだが、2時間の映像を見ても13〜18%しか減らないのだから、実際の使い勝手ではほぼ互角と評価していいだろう。
ただし、Redmi Note 11は急速充電に対応し、充電器が付属するというメリットがある。33Wの急速充電が可能で、約1時間でのフル充電が可能とのこと。Xiaomiは、120Wで充電できるXiaomi 11T Proなども出しているので、33W程度ではもはや驚きはないが、それでも一般的なスマホに比べてスピーディーに充電できることに変わりはない。Redmi Note 10Tは18W充電で、充電器は付属しない。電池関連の仕様はNote 11に優位性がある。
Redmi Note 10Tは5Gスマホの中では安く、防水・防塵(じん)やおサイフケータイに対応していることがメリット。ただし、ディスプレイが液晶であることや、超広角では撮れないこと、シングルスピーカーであることなど、妥協しなければならない点も多い。予算を上げれば、Mi 11 Lite 5G(税込み4万3800円)、Xiaomi 11T(税込み5万4800円)なども選択肢に加えられるので、慎重な検討が必要だ。
Redmi Note 11は、5Gとおサイフケータイに対応していないことを除けば、2万円台の端末としては機能もスペックも充実している。まだ5Gエリアが狭い楽天モバイルや、5Gのメリットを享受しにくいMVNOのユーザーが検討する価値が大きいだろう。
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