携帯電話の通信障害にユーザーはどう対処すべきか?Mobile Weekly Top10

» 2022年07月09日 11時00分 公開
[井上翔ITmedia]

 ITmedia Mobileにおける1週間の記事アクセス数を集計し、その上位10記事を紹介する「ITmedia Mobile Weekly Top10」。今回は2022年6月30日から2022年7月6日までの7日間について集計し、まとめました。

障害 KDDIと沖縄セルラー電話の携帯電話における通信障害からちょうど1週間が経過しました

 今回の集計期間におけるアクセス数の1位は、7月3日にKDDIが行った緊急記者会見の模様を伝えた記事でした。この会見は、6位にある記事で告知したau/UQ mobile/povo携帯電話に関する通信障害の状況報告のために行われたものでした。

 KDDIと沖縄セルラー電話の携帯電話で発生した通信障害は、7月2日1時15分頃から61時間25分に渡って続きました。災害によるものを除く携帯電話関連の障害としては、両社はもちろんのこと他社を含めても極めて長時間に渡るものでした。影響回線数は最大で3915万回線(MVNOの回線などを含む)と、契約者数の過半に影響が及んだものと思われます。

 「深夜に機器の入れ替えを行う→入れ替え後の機器にエラーが発生→入れ替え前の機器に切り戻す→多数の端末から再接続要求が殺到→コア設備の負荷が高まりつながりづらい状況に」という流れや、「復旧に必要な処理を行っても、すぐに接続が回復するとは限らない」といった状況を見る限り、この障害はNTTドコモが2021年10月に起こしたものと類似点があります。

 総務省による行政指導を受けて、ドコモの障害は他の事業者との情報共有がなされています。それを踏まえて、KDDI(と沖縄セルラー電話)は障害復旧時のマニュアルを改訂したようですが、今回の事故を防ぐことはできませんでした。本格的な原因究明はこれからとなりますが、「誰が悪かった」のかを追求するのではなく、「何が悪かったのか」をしっかりと洗い出すことで、より強い携帯電話ネットワークの構築につなげてほしいと考えます。

 さて、ドコモやKDDI/沖縄セルラー電話の件を見れば分かる通り、携帯電話ネットワークの障害は100%“絶対に”起こさないというのは極めて困難であることも事実です。それに対してできる対策は何があるのかと考えてみると、一番てっ取り早いのは冗長化、つまり複数の通信モードを用意しておくことなのかもしれません。

 例えば、携帯電話(スマートフォン)回線であれば、違うキャリアのものを予備として用意しておくというのも手です。「お金掛かるのはなぁ」という人もいるかもしれませんが、ひと昔前と比べれば複数キャリアの携帯電話回線を維持するコストは軽減されています。特に最近のiPhoneなら複数キャリア運用に最適な仕様となっているので、一考の余地はあると思います。

 「自宅でもスマホ回線だけで済ます」という考え方から脱却して、固定インターネット回線(光ファイバーやCATVなど)を保有するのも手です。維持費は高く付くかもしれませんが、現状では携帯電話回線より遅延(レイテンシー)は少ないですし、混雑時の通信速度制限も緩い傾向にあります(無いわけではありませんので気を付けてください)。むしろ、自宅では固定インターネット回線をメインに考えてスマホはバックアップ、とすると自宅におけるインターネットの冗長化はやりやすくなります。

 電話という観点では、固定電話を契約するのは難しくても公衆電話の位置を把握しておくことで万が一の際に連絡を取れます。ひかり電話(固定電話番号を使ったIP電話)や携帯電話ネットワークを使う「ワイヤレス固定電話」については、停電時の対策を検討しておくと良いかもしれません(専用のバッテリーユニット、あるいはモバイルバッテリーで給電できる場合があります)。

 ……ということで、先週末のKDDIと沖縄セルラー電話の通信障害は、いろいろと“考えさせられる”ものがありました。皆さんも、万が一の際に極力連絡が取れない状態を作らない手だてについて考えて見ると良いかもしれません。

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