Googleから5万3900円(税込み、以下同)で「Pixel 6a」が販売された。最大の注目点は、ミドルクラスAndroidの価格帯で6.1型の画面&大容量バッテリー&高画質カメラに加えて、ハイエンド級のGoogle製の高性能プロセッサ「Tensor」を搭載した点だ。
これまで低価格帯で高性能プロセッサを搭載スマホと言えば、「iPhone SE(第3世代)」の独壇場だった。iPhone SE(第3世代)の価格はApple直販で6万2800円(64GB)からで、価格でも性能でも強力なライバルが登場した。
むしろ、Pixel 6aはiPhone SE(第3世代)の弱点となる画面サイズとバッテリー容量、カメラの面で明確に上回っている。SEどころか、iPhone 13シリーズにとっても強力なライバルと言って過言ではない。
この記事ではPixel 6aを徹底テストしつつ、iPhone SE(第3世代)とも比較。両陣営から発売された、高コスパと高性能を両立するお買い得モデルの実力について見ていこう。
まずは、操作や動画視聴に大きく影響する画面サイズやディスプレイ性能、音楽再生周りと基本機能について見ていこう。
Pixel 6aは6.1型のフルHD(1080×2400ピクセル)60Hzの有機ELを搭載。iPhone 13シリーズとスペック値では同等、ノッチも考慮するとより大画面といえる。画面の明るさは非公開だが、計測したところ、最大で約500ニト前後のようだ。上位のPixel 6 Pro/6に搭載されている、まぶしい日中屋外で最大800ニトにまで明るくなる機能は確認できなかった。
サイズは71.8(幅)×152.2(高さ)×8.9(奥行き)mm、重量178g。6.1型のスマホとしては標準的〜やや小型軽量といえるレベルだ。2021年に発売されたPixel 6 ProやPixel 6は重量級だったが、今回のPixel 6aは日本人でも気軽に扱いやすいサイズになっている。慣れれば片手持ち親指操作が可能。長時間の操作は両手といった使い方になるだろう。持ち心地やサイズ感はiPhone 11〜13とよく似ている。
スピーカーは音量が大きく、ステレオの響きも良好。特にボーカルや人の声を聴き取りやすい。映画配信やYouTubeなどで、人の声を中心に楽しみたい人に向いた仕様といえる。
一方のiPhone SE(第3世代)は、4.7型(750×1334ピクセル)60Hzの液晶と、今となっては画面サイズが小さく解像度も低い。輝度はピークで625ニトだ。画面が小さい分、サイズと重量は67.3(幅)×138.4(高さ)×7.3(奥行き)mm、144gと小型軽量。スピーカー音はステレオかつ低音が力強いものの、音量や臨場感はPixel 6aと比べると劣る。安価で高性能だが、動画やSNSを大画面で楽しみたい人にとっては不満を感じるモデルだ。だが、iPhoneには大画面版SEと呼べるお得なiPhoneは事実上ない。本来は値下げされたiPhone 12やiPhone 11が相当するのだが、円安もあり高額。キャリア販売も取り扱いが少なく、店頭値引きがあっても64GBモデルが中心だ。
生体認証については、Pixel 6aが画面内指紋認証を採用。認証速度は0.2〜0.3秒といったところ。Pixel 6 Pro/6の他、ミドルクラスAndroidでの採用が多い画面内指紋認証と似通った速度だ。Pixel 6aを手にした時点で画面が自動点灯してセンサー位置が分かるので、指紋認証のミスはあまり起きなかった。
だがiPhone SE(第3世代)の、画面を見ずにタッチセンサーを押すと約0.1秒で認証され即座に操作できる快適さと比べてしまうとやや不便だ。一部ハイエンドAndroidが搭載する超音波式の画面内指紋認証と比べても認証速度が遅く感じる。また、Pixel 6aも多くのAndroidスマホのように顔認証も併用できれば便利だが、指紋認証にしか対応していない。Googleのスマホだけに何かしらの高速化技術を搭載してほしかったとことだ。
防水・防塵(じん)はPixel 6aとiPhone SE(第3世代)ともにIP67準拠。両モデルともNFCとFeliCaに対応しSuicaも使える。
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