性能的にもカメラ的にも安定感があって業界筋では非常にポピュラーなのに、日本の世間的にはいまひとつメジャーになりきれないのがもったいないGoogleの「Pixel」。「Google Pixel 7」では高価格な下取り(特にiPhone系)とGoogleストアクレジットの付与を合わせて実質0円も可能になるなど、普及に向けてかなり攻めてきた。
個人的にはAndroidのSIMロックフリー端末デビューに「Pixel」シリーズが最適だと思うのだけど、まあそれはそれとして、ここではカメラの話である。
「Pixel 6 Pro」と「Pixel 7 Pro」と「iPhone 14 Pro」のProトリオでちょっと比べつつレビューしてみようという趣向だ。
Pixel 7 ProはPixel 6 Proを受け継ぎ、ちょいと出っ張ったカメラ部の帯に3つのカメラが仕込まれている。
超広角、広角、望遠である。
メインとなる広角カメラは5000万画素(50MP)でセンサーサイズは1/1.31型でレンズのF値はF1.85。これ、Pixel 6 Proと同じだ。
超広角カメラは1200万画素(12MP)でF2.2と一見、Pixel 6 Proと同じようだが、実はかなり違う。Pixel 6 Proよりさらに広角で(35mm判換算で16mm相当から13mm相当に広がった)、しかもAFが付いたのだ。このAFを利用してマクロ撮影モードを搭載してきた。
望遠カメラは4800万画素(48MP)でPixel 6 Proと同じだが、より望遠になり(4xから5xへ)センサーサイズはちょっと小さくなった。望遠カメラのレンズはいわゆるペリスコープ型(屈曲光学系)。センサーサイズが少し小さくなったのは厚みを抑えつつより望遠にするためだろう。
iPhone 14 Proと大きく違うのは望遠カメラの倍率だ。
ちょっと考えると、1xの次が5xってのはちょいと間が空きすぎていないか? と思うのだけど、これがそうでもないのである。Googleのデジタルズームの技術がかなりいいからだ。
ではその辺を念頭にいれつつ、広角カメラから見てみよう。
iPhoneの方がパキッとしていて彩度も高いセッティングだ。対してPixel 7 Proはよりナチュラル。見栄えのいいiPhone vs ナチュラル系のPixelってことでお好きな方をどうぞ(こればっかは好みです)。
で、カメラアプリを見ると、倍率が「0.5→1→2→5」となっている。次は2xでの比較だ。
基本的な傾向は1xのときと同じだが、ディテールの描写はiPhone 14 Proが頑張っていて小さな文字もちょっと読みやすい。
iPhone 14 Proのカメラレビューでも書いたけど、2xのカメラってちょっと距離があるものを自然な構図で撮るのにすごく重宝する。
これなんか、青空とパラソルの色合いがすごくきれいだったので、思わず撮っちゃったもの。1xだとちょっと締まらなかったけど、2xにしたら完璧。
Pixel 7 ProとiPhone 14 Proの絵作りの差が見えたので両方を載せてみた。
料理を撮るときも2xの方が皿の形がきれいに見える。これも両者の画作りの差が見えて面白かったので、それぞれどうぞ。Pixel 7 Proの方が白いものをきっちり白く合わせてきているけど、iPhone 14 Proは少し赤みを残している。
ただ、Pixelは画面をタップしたあとでシャドー部の処理や色温度を自分で調整できるので、その辺をうまく使いこなせる人にはとてもいい。
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