ソニーのスマホ「Xperia」のフラグシップは「Xperia 1」シリーズだ。しかし、その下に位置付けられる「Xperia 5」シリーズも機能面での差は少なく、コンパクトで、片手持ちで操作しやすいというメリットも備えている。兄弟とも呼ぶべき2モデルは、それぞれどんなユーザーに適しているのか? 最新の「Xperia 1 IV」と「Xperia 5 IV」を使い比べてみた。
まずは、両モデルの主要スペックを確認しておこう。
プロセッサは同じだが、Xperia 1 IVの方がメモリ容量多く、ディスプレイやカメラのスペックも上回っている。なお、今回はXperia 1 IVはSIMフリーモデル(ソニーが直販するモデル)、Xperia 5 IVはauモデルを使った。どちらも5Gの周波数帯はSub-6のみに対応している。だが、Xperia 1 IVのキャリア向けモデルはミリ波にも対応している。そこは大きな差分といえる。
なお、Xperia 1 IVの価格はau版が突出して安い。発売当初(2022年6月)は19万2930円だったが、値下げされて14万8645円(11月現在)となったためだ。価格を重視するならau版を選ぶのが得策だ。
両モデルは縦横比が21:9の縦に長い「シネマワイドディススプレイ」を搭載している。左右のベゼルも細く、どちらのモデルも画面サイズのわりにはスリムだ。一般的に横幅が70mm以下だと片手で操作しやすいといわれるが、Xperia 1 IVの横幅は71mmで、Xperia 5 IVは67mm。Xperia 5 IVは片手で持った場合でも、画面のほとんどの部分を親指でタッチできる。片手での操作性ではXperia 5 IVに軍配が上がる。
ただし、Xperia 5 IVはコンパクトで軽いため、うっかり落としてしまいそうで不安になることがあった。手の大きさによっては、むしろ扱いにくいと感じる恐れもある。その場合、マットな手触りのスマホケースなどに収めて使うのが好ましいだろう。
画面サイズはXperia 1 IVが約6.5型で、Xperia 5 IVが約6.1型。どちらも有機ELディスプレイで、解像度はXperia 1 IVが4K(3840×1644ピクセル)で、Xperia 5IVはフルHD+(2520×1080ピクセル)。Xperia 1 IVは4Kで撮った動画を4Kの解像度のままで再生できたり、写真を拡大しても高精細な画質を得られたりすることが利点だ。
しかし、よく使うアプリの操作において、両モデルのディスプレイの画質に優劣を感じることはなかった。6.1型画面のXperia 5 IVでは、解像度はフルHD+で十分といった印象だ。
ただし、「Chrome」で同じサイトを表示させると、Xperia 1 IVの方が表示できる領域が広かった。21:9のシネマワイドディススプレイは、画面を分割して2つのアプリを同時に使うマルチウィンドウに適しているが、マルチウィンドウを使う場合もXperia 1 IVの方が有利だ。
両モデルのディスプレイのリフレッシュレートは最大120Hzで、タッチサンプリングレートは最大240Hz。ゲームを楽しむにも申し分のない仕様だ。横画面でゲームを楽しむ場合は、画面が大きいXperia 1 IVの方が指で隠れる部分が少なく、操作しやすく感じられた。
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