―― 音声定額やゴーゴープランが主軸のようにも見えますが、なっとくプランの3GBと8GBも獲得はしたいとお考えですしょうか。
森藤氏 もちのろんでございます(笑)。お客さまの層が多い容量帯なので、間違いなく入る方はいると思います。ただ、ドコモ本体があり、OCN モバイル ONEやトーンモバイルがある中なので、まずはその土俵に上がらないといけない。ショップの方の売りやすさを考え、まずはゴーゴープランを前面に押し出しました。もちろん、3GBや8GBも安さは出せています。売ってもらうにあたり、そういったスペックは当然用意しています。
―― 全国展開にあたり、どのようなプロモーションをかけていく予定なのでしょうか。
森藤氏 静岡県では、「LIBMOのお申し込みはTOKAIモバイルショップ+ドコモショップ」というCMが流れます。県内では、テレビやラジオの他、駅前の動画広告や映画館などでも展開します。もともと静岡ではTOKAIモバイルショップのCMをずっとやってきていたので、今回、ドコモショップが加わったという印象のCMを作りました。これに対して全国では、「LIBMOのお申し込みはドコモショップへ」というWebのCMを流します。
牧野氏 TOKAIグループのイメージキャラクターとして、(歌舞伎役者の)尾上松也さんと契約しています。その縁もあり、LIBMOにも起用できることになり、2月から尾上さんが広告に出演しています。正直、これがよかった。なかったら見落とされていたかもしれません。
森藤氏 全国的に認知度がある人が使えているのは大きいですね。
―― これまでは静岡中心に宣伝していたということですが、もともとWebでは全国から申し込めていました。現状だと、地域別の比率はどのような数値なのでしょうか。
森藤氏 月よってバラツキが大きいですね。11月は静岡県がものすごく多かったのですが、その前の月はそうでもなかったです。ただ、ならすと普通は3割より低いぐらいで、21年とは比率も数も変わっています。
牧野氏 なっとくプランを出してから、倍ぐらいのペースで増加するようになりました。7月から10月は、特に楽天モバイルからのユーザーが多かったですね。
森藤氏 (楽天モバイルの新料金プラン導入で)3GBのところがポーンと増えましたが、20GBも増えています。新料金プランを出してから、右肩上がりで全国のパイが増えています。3GBを出し、ラインアップで他社と横並びになった結果、LIBMOの認知度が上がったのが大きい。その中で20GBが安いということもあり、実数は増えています。
―― なるほど。楽天モバイルの“0円廃止”のビッグウエーブはLIBMOにも届いていたということですね。ユーザー側もなかなかよく調べているというか……。
牧野氏 その波は確実に来ていました。
森藤氏 これは他社もそうだと思いますが、Webでもかなり流入が増えました。
エコノミーMVNOは、店舗展開が手薄なMVNOにとって魅力的な枠組みだ。特にLIBMOのように、特定の地域に特化していた会社にとっては、“全国デビュー”のきっかけになる。LIBMO自身も、販売拡大を目的にエコノミーMVNOへの参画を決めたという。ドコモショップの販売網を考えると、その狙いは達成できる可能性が高そうだ。発表時には意外感もあったが、エコノミーMVNOのメリットを考えると、LIBMOのようなMVNOがこの仕組みを利用するのは自然な流れともいえる。音声定額で差別化を図った点も、いいアイデアだと納得できた。
一方で、他のエコノミーMVNOとは異なり、回線の即時開通ができないのは現状の課題といえる。特に初期設定などのサポートを受けたい場合、再度ドコモショップを訪れる必要があり、ユーザー側の二度手間になる。ショップのスタッフも、手渡しできないとなると勧めづらくなってしまうはずだ。システム開発に時間がかかる可能性もあるが、早期の対応に期待したい。
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