「良いスマホを安く買いたい!」という高コスパ重視の人にとって、例年1〜3月はiPhoneなどが特価販売される注目の季節だった。だが2023年は割引の動きが少なく、旧機種iPhone 13の大幅な特価販売もほぼ見られなかった。お手頃価格の高コスパスマホといえる製品は、2022年後半と同じく「iPhone SE(第3世代)」や「Pixel 6a」のままだ。この2023年、スマホ購入は春がお得という常識は崩壊したといっていい。
では、今後スマホを安くお得に買いたい人はどうすればいいのか。2023年に入って大きく変化しつつあるのが「キャリア認定中古の販売拡大」「スマホ本体と、キャッシュバック付きの各社SIMのセット販売」「旧モデルの値引き」などだ。これらの購入方法は以前から存在したが、特に2023年に入ってからキャリアやメーカーが力を入れ始めている。
この記事では、ゴールデンウイークも含め、2023年にスマホをお得に買うための新常識について見ていこう。記事内での価格は全て税込み。
なぜ2023年の1〜3月は、iPhone 13シリーズの極端な特価販売がなかったのだろうか。理由は主に2つ。iPhone自体の値上げと、割引の規制強化だ。
過去のiPhone 12(64GB)は、発売当初の2020年10月は9万4380円(以下Apple Store)で、翌2021年9月に8万6800円に値下げ。その後の冬春には店頭で一括5万円を切るようなお手頃価格での特価販売も見かけることがあった。
だが、iPhone 13(128GB)は最低価格の上昇に加え、値上げの影響を大きく受けた。発売当初の2021年9月は9万8800円だったが、2022年7月の値上げで11万7800円に。2022年9月の値下げでも10万7800円だ。円安や物価高騰の影響で、発売当初から1年たって逆に高くなってしまっている。
さらに、店頭割引に対する規制の目も大きい。2022年から2023年にかけて公正取引委員会の調査もあり、キャリアからショップ代理店に対するMNP契約の獲得指標が絡んだ「供給に要する費用を著しく下回る対価」での販売は、独占禁止法における「不当廉売」の原因になり得るという見解が示された。このためか、2023年の春は店頭独自割引として1〜4万円ほどの割引は存在しつつも、それ以上の極端な特価販売を見かけることは少なくい。
これら2点により、店舗でキャリアのiPhone 13(128GB)を購入しようとしても、MNP乗り換え割引と店頭独自割引を加えても一括7〜8万円あたりが相場になったというわけだ。iPhone 13 mini(128GB)でも一括6〜7万円あたりが相場になっている。このため、ショップではより気軽に購入しやすいよう、キャリアが25カ月後などに購入したiPhone 13を回収するという条件で、実質負担額が1万〜3万円ほどになるという購入方法を提案している。
現在のiPhone 13の価格も、機能や性能を考えるとそこまで高いわけではない。また、早めに買い換える人なら25カ月目に返却する買い方も悪い選択肢ではない。だが、スマホにあまりお金をかけたくない人や、一度購入したら長く使いたい人にとってはあまりうれしくない状況だ。安価なiPhoneならiPhone SE(第3世代)も存在するが、スマホを活用している人にとっては画面サイズが4.7型と小さい点がネックになる。
では、画面が大きいiPhoneをもっとお得に買う方法はないのだろうか。ここからは、この春以後注目のお得な購入方法について順に紹介していこう。
やや高額だが、iPhone 14シリーズや、iPhone 13 Pro Maxをお得に買いたいならApple Storeをチェックしよう。2023年2月から、Apple Storeの認定整備済製品にiPhoneが加わった。整備や点検済みかつ、正規保証もついた新品と同等の製品を購入できる。
取り扱いの中心は前機種の最上位モデルiPhone 13 Pro Maxで、2023年4月現在、128GBモデルが12万6800円で販売されている。大画面かつカメラ性能の優れたiPhoneが欲しい人には魅力的な製品となっている。最新のiPhone 14 Pro Max(128GB)が16万4800円、新モデルだが望遠カメラがなく搭載チップはiPhone 13から据え置きのiPhone 14 Plus(128GB)が13万4800円なのを考えると、このiPhone 13 Pro Maxはお得といえる。今後、より安価なiPhoneの販売が始まるのかも注目だ。
Appleから正規の方法でiPhoneをより購入する方法としては、以前から知られている以下の2つの方法がある。特に、最新のiPhone 14シリーズを新品かつ安く購入したい場合は注目したい。
安価に購入するなら「SIMロックフリー版iPhone」を狙おう。最新のiPhone 14シリーズは各キャリアともほぼ値引きを実施していない他、MVNOでは購入できない。だが、Apple Storeの通販ならキャリアの価格より安くSIMロックフリー版を購入できる。また、大手量販店やAmazonでも在庫はやや少ないが取り扱っている。
ドコモ、au、ソフトバンクの契約者が機種変更でiPhone 14シリーズを安く買いたい場合は、「通信キャリアを選べるモデル」をオンライン予約し、Apple Store店頭で購入する方法がある。Apple Storeのある東名阪の都市圏や京都・福岡の人は選択肢に入れていいだろう。iPhoneの価格がApple StoreのSIMロックフリー版からさらに8800円安く購入できる(ただし、キャリアの機種変更や契約変更に伴う手数料が3000円前後発生する)。
Apple Storeでの手続き内容はドコモ、au、ソフトバンクのショップでの機種変更と同様で、必要に応じて4Gから5G契約プランへの変更手続きもその場で実施される。
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