ANA Xの轟木一博社長は、「ANAのマイルが、いつでも、どこでも、何にでも、使えてためられる」という経済圏構想を紹介し、その基礎となる機能を整えたと強調した。
ANA Payはコロナ禍の2020年12月、JCBが提供するコード決済基盤「Smart Code」対応のコード決済サービスとしてスタートした。提供対象がANA JCBカードユーザーに限られていたことから、会員数が大きく伸びることはなかった。会員数は2023年5月時点で10万人強、アクティブユーザーとしては10万人以下としている。旧サービスについては、2023年11月に提供終了となる予定で、既存ユーザーには新サービスへの移行を促していく。
轟木社長は「(旧サービスのANA Payは)提供準備を急ぎすぎた。決済サービスはただでさえ黒字化が難しいが、提携カードや支払いで使える規格も限られており、とても十分とはいなかった」と振り返る。その上で「新しいANA Payは幅広いユーザーに受け入れられる決済インフラツールとして規格してきた。提供開始により、いよいよガチンコの勝負ができるようになった」と語った。
ANA Payのリニューアルを契機に、ANA Xは決済市場での巻き返しを図る。具体的には、2023年度に決済規模で100億円、ユーザー数は100万人弱を目指す。事業運営としては短期での黒字化を目標とせず、航空事業や旅行事業などを活性化させるための基盤として成長させていく方針だ。
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