中国では子ども向けのスマートウォッチがかなり売れています。一人っ子政策や両親の共働き、誘拐対策などもあり、特に都市部では子どもがスマートウォッチをはめていることも珍しくないのです。
スマートウォッチというとApple Watchを思い浮かべる人が多いでしょうが、子ども向けのキッズウォッチでは中国では小天才社のシェアが高く、XiaomiやHuaweiもさまざまな製品を出しています。その中でHuaweiの販売する最新キッズウォッチはまるでスパイウォッチのようなギミックが特徴。子ども向けというのがもったいなく、大人も使いたくなるような機能が搭載されています。
「HUAWEI WATCH KIDS 5X Pro」は1.6型(360×320ピクセル)ディスプレイを搭載する子ども向けのスマートウォッチ。バッテリーは800mAh。OSはHarmonyOS 2を搭載しており、同OS搭載のHuaweiスマートフォンの他、AndroidやiPhoneとの連携もできます。
キッズウォッチならではの機能としては、nanoSIMが利用可能で単体で4G通信に対応。またフロントディスプレイ面と裏面それぞれにカメラを搭載し、単体でのビデオ通話もできます。カメラはフロントが500万画素、裏面が800万画素です。
パッと見ると普通のスマートウォッチですが、HUAWEI WATCH KIDS 5X Proは腕時計の本体部分が自在に動きます。ヒンジで90度立ち上がる他、360度回転させることができるのです。腕にはめたまま本体を立ててビデオ通話すればまさにスパイウォッチ感覚。なかなか楽しい製品です。
そしてこのメインディスプレイを裏返すと、なんと裏面には1.52型の電子ペーパーディスプレイも搭載されているのです。バッテリー容量が少ないときや、炎天下でカラーディスプレイが見にくいときなど、こちらの画面に切り替えて使うこともできるというわけ。
これだけでも楽しくつかえるHUAWEI WATCH KIDS 5X Proですが、さらに時計本体を取り外すこともできるのです。外した後は首からぶら下げてペンダントのように使うことも可能。まだ手首が細い低学年の子どもには、ペンダントとしてぶら下げて使わせるのがいいかもしれません。
内蔵アプリは活動量計やモバイルペイメントのAlipay、他にHuaweiのキッズウォッチ同士でコミュニケーションが取れるSNSアプリなどが入っています。歩数計などは大人向けのHuaweiの一般的なスマートウォッチとUI(ユーザーインタフェース)が同じなので、同社製品を使っている人にとっても使いやすいでしょう。
電子ペーパーディスプレイ側でも歩数を見るなどある程度のことはできるようです。カラー画面と電子ペーパー画面のデュアルディスプレイ搭載スマートフォンは、過去に何機種か登場したものの、成功しませんでしたが、子ども向けスマートウォッチなら十分「アリ」と思えます。
価格は1999元(約3万9000円)と、子ども向けとはいえ結構高価。そこでHuaweiはディスプレイを片面だけにした「HUAWEI WATCH KIDS 5X」も1599元(約3万1000円)で出しています。
ところで、HUAWEI WATCH KIDS 5X Proはいきなり出てきた製品ではありません。中国のキッズウォッチトップメーカーである小天才が既に時計本体が回転するモデルを数年前から出しており、2022年には本体が外れる「Z8」を1999元で発売。高価にもかかわらず中国で人気製品になっています。HuaweiはこのZ8人気にあやかり、さらに両画面とすることで「ハイエンドキッズウォッチ」市場で覇権を握ろうとしているのでしょう。中国の子ども向けスマートウォッチから目が離せなくなりそうです。
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