ソニーの「Xperia 5」シリーズっていうと、フラグシップ機「Xperia 1」のカジュアル版という感じで、Xperia 1のいいところをいい感じに受け継いだモデルといっていいかと思う。デザインもXperia 1を小さくしたみたいだし。
でも、その5代目たる「Xperia 5 V」は、見た目がちょっと違う。初代「Xperia 5」からずっと継続されていたトリプルカメラから、デュアルカメラに変更されたのだ。
減ったのは望遠カメラ。「超広角」と「広角」だけになったのである。
それはスペックダウンなのか、どうなのか。何はともあれそこが気になるはずなので、チェックしてみよう。
Xperia 5 Vのデュアルカメラは、16mm相当の超広角と24mm相当の広角という構成だ。
その広角カメラがよいのである。センサーのサイズは1/1.35型と大きい上に、最新の2層トランジスタ画素積層型なのだ。今までのセンサーと比べると、同じサイズでも1画素あたりの面積を広く取れるため、ノイズがより少なく、ダイナミックレンジも広くなった。
実際、画質がすごくナチュラルによくなっていると感じる。いわゆる「コンピュテーショナルフォトグラフィー」で画質を上げているのではなく、基本性能が上がったという感じ。つまり、「Xperia 1 V」と同じなのである。
そのセンサーは約4800万画素。通常はそれを4画素を1つにまとめて1200万画素の画像として出力する。
そして今回、カメラアプリを見ると「x1.0」の上に「x2.0」のボタンが用意された。これがミソ。
2xにすると、4800万画素の中央の1200万画素分だけを抽出した2倍ズームになるのだ。多画素を生かしたズームである。
Xperia 1 Vも約4800万画素のセンサーを積んでいるが、2xズーム時はこれを使わず、約1200万画素の画像をデジタルで2倍していた。それに対して、Xperia 5 Vは高画素モードで撮影した画像の中央部を使っているのである。
言葉で説明すると分かりづらいので、Xperia 1 Vのレビュー時に2xで撮影した同じガスタンクの中央あたりを拡大して並べてみた。
2x時のディテールの描写は、明らかにXperia 5 Vの方が上だ。2xズーム時のみフラグシップ機を越えるというちょっと面白い逆転現象である。このクオリティーなら、デュアルカメラながら、0.7x→1x→2xの実質トリプルカメラとしていけるという判断で、望遠カメラの搭載をやめたのだろう。
Xperia 5 IVの望遠カメラは60mm相当(2.5x)なので、それと比べると少し望遠には弱くなるが、あっちの望遠カメラはセンサーも小さく、レンズ性能も高くない。なので、2xと2.5xという差こそあれ、結果的にXperia 5 Vの2xズームの方が画質がいいのである。
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